ブダペスト地下鉄3号線

ブダペスト地下鉄3号線は、ハンガリーの首都ブダペストにおいて南北に縦断する、ブダペスト地下鉄網を構成する主要な鉄道路線です。この路線はハンガリー語で「3-as metró」（シャーシュ・メトロー）と呼ばれています。全長は約16.5キロメートルに及び、20の駅が設けられています。この路線は、ブダペストの市民生活や経済活動を支える上で欠かせない公共交通機関となっており、その利用規模は非常に大きく、一日あたり平均で約626,179人の人々が利用しています。

この路線の歴史は、ブダペストの都市発展と深く結びついています。将来的な交通需要の増加を見越した建設計画は、1963年に具体的に始まりました。計画策定を経て、実際の建設工事が開始されたのは1970年のことです。広大な都市を南北に貫く地下鉄路線の建設は大規模なプロジェクトであり、完成までには長い年月が必要とされました。

営業運転は、建設が進行する中で段階的に開始されました。最初の部分的な開業は1976年12月31日に行われ、ブダペスト市内の中心部にあるデアーク・フェレンツ広場駅から南部のナジヴァーラド広場駅までの約4.1キロメートルが開通しました。この最初の区間の開業は、ブダペストの地下鉄ネットワークの拡充における重要な一歩となりました。

その後も、路線の延伸は着実に進められました。1980年3月29日には、最初の南側の終点であったナジヴァーラド広場駅から、さらに南にあるケーバーニャ・キシュペシュト駅までの約4.9キロメートルが延伸開業しました。これにより、路線の南側区間が形成されました。北側への延伸も始まり、1981年12月30日には、起点であるデアーク・フェレンツ広場駅から北方向へ、レヘル広場駅までの約2.4キロメートルが開業しました。さらに、1984年11月5日には、レヘル広場駅からアールパード橋駅までの約1.7キロメートルが開通し、着々と北へ路線が伸びていきました。

そして、計画開始からおよそ27年の歳月を経た1990年12月14日、最後にアールパード橋駅・ウーイペシュト間の区間がすべて開業しました。具体的には、アールパード橋駅から北端のウーイペシュト・クズポント駅までの約3.4キロメートルが開業し、これをもってブダペスト地下鉄3号線は、ブダペストを南北に縦貫する全長16.5キロメートル、全20駅を結ぶ路線として完全に供用を開始しました。

全線開業以来、ブダペスト地下鉄3号線は市の南北を結ぶ主要な公共交通軸としての役割を果たし続けています。一日の利用者数が60万人を超えるという数字は、この路線がブダペストの都市機能維持といかに不可欠であるかを物語っています。計画、建設、そして段階的な開業という長い道のりを経て完成したこの路線は、ブダペストの近代的な交通インフラストラクチャーの重要な一部であり、市民や訪問者の移動を支える基盤となっています。

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