ブッダ・インターナショナル・サーキット

ブッダ・インターナショナル・サーキットは、インドのデリー近郊に位置するサーキットで、2011年にオープンしました。主にF1インドグランプリの開催を目的に建設されたこのサーキットは、質の高いレース環境を提供するために設計されています。そのデザインは、近年新たに建設されるF1サーキットのトレンドを反映し、著名なドイツのサーキット設計者ヘルマン・ティルケの手によるものです。

このサーキットは、周辺にクリケット場やゴルフコース、高層マンション、オフィスビルといった多様な施設を有する「Jaypee Greens: Sports City」の中核をなしています。より多くの観客を楽しませるため、多角的なスポーツ体験を提供することが目指されています。2012年にはFIA GT1世界選手権の開催が決定し、2023年からはオートバイのロードレース世界選手権であるMotoGPも行われる予定です。

当初、このサーキットは「ジェイピー・インターナショナル・レースサーキット」と名付けられていましたが、後に「ブッダ」という名前に変更されました。この名前には「平和」や「静けさ」という意味が込められています。サーキットの建設は予定よりも遅れたものの、2011年10月18日に正式にオープンしました。しかし、当時の状況下でグランドスタンドの工事が完了しておらず、観客にとっては利用が限定されていました。

それ以前には、用地取得を巡り反対集会が行われ、地域住民との間で一定の緊張があったものの、最終的にはレースは成功を収め、多くの関係者から高い評価を受けました。しかし、2014年以降のF1開催が終了したことにより、サーキットの使用頻度は減少し、管理していたジェイピー・グループは財政的な問題を抱えるようになります。2020年には使用料の未払いによりサーキットは閉鎖され、同年には新型コロナウイルスの影響で検疫施設として利用されることになりました。

コースレイアウト

サーキットの特徴的な点はその全長5.141kmのコースレイアウトです。コースには2本の長いストレートと16のコーナーが配置されており、地形の起伏を活かした設計がされています。このため、運転中にさまざまな高低差を感じることができ、ドライバーにとっては技術的な挑戦となります。また、路面は埃っぽく滑りやすいため、特にトレーニングやレース中は注意が必要です。

ピットレーンはF1で最長の部類に入り、600mの長さを誇ります。これによりピットインでのロスタイムが大きくなり、戦略的なレース展開が求められます。ターン1からターン3へかけては上り坂となっており、ターン3への進入がブラインドとなっているため、ドライバーにとっては視認性が重要な局面です。最大のオーバーテイクポイントであるストレートエンドのターン4は、コース幅を広く設けることで様々なラインが選べるようになっています。

セクター2はテクニカルな要素が強く、左右の切り返しやロングコーナーが続く構成となっています。特に、ターン10・11はイスタンブール・パークのターン8に似た造りですが、出口では逆にRがきつくなる特性があり、運転に対する高度な技術が求められます。

まとめ

ブッダ・インターナショナル・サーキットは、インドのモータースポーツシーンにおいて重要な役割を果たしています。また、地域全体としての発展を促すための施設も併設されており、将来的にはさらなるイベントの開催が期待されています。

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