ブライアン・ムーアマン

ブライアン・ムーアマン：NFLを代表するパンターの軌跡

ブライアン・ムーアマン（Brian Moorman、1976年2月5日生まれ）は、カンザス州ウィチタ出身のアメリカンフットボール選手です。NFLのバッファロー・ビルズで長年パンターとして活躍し、その実績からNFL2000年代オールディケイドチームにも選出された名選手です。

スポーツ万能な高校時代

ムーアマンは高校時代、アメリカンフットボールだけでなく、陸上競技、バスケットボールにも打ち込みました。特に陸上競技ではハードル走で才能を発揮し、3度も州チャンピオンに輝いています。

大学での輝かしい実績

ピッツバーグ州立大学に進学したムーアマンは、アメリカンフットボール選手として目覚ましい活躍を見せました。大学史上初めて4年連続でオールアメリカンに選ばれ、現在でも大学記録となる平均43.97ヤードの記録を保持しています。その功績から、2003年には大学の100周年記念チームにも選ばれました。

陸上競技においても、NCAA選手権（2部校）の400メートルハードルで3年連続優勝を果たすなど、圧倒的な強さを見せました。その他にも8つの大会で優勝し、110メートルハードルで13秒81、400メートルハードルで49秒77という大学記録を樹立しました。これらの功績が認められ、2009年には大学のスポーツ名誉の殿堂入りを果たしています。

NFLへの挑戦とヨーロッパでの活躍

1999年、ムーアマンはシアトル・シーホークスとドラフト外フリーエージェントとして契約しましたが、開幕ロースターに残ることはできませんでした。その後、NFLヨーロッパに派遣され、ベルリン・サンダーで2000年、2001年とプレーし、共にリーグトップの成績を収めました。

バッファロー・ビルズでの活躍

2001年、フリーエージェントとしてバッファロー・ビルズと契約したムーアマンは、2002年には平均43.1ヤードのパントを記録し、12月24日のグリーンベイ・パッカーズ戦では最長84ヤードのパントを蹴りました。2004年のジャクソンビル・ジャガーズとの開幕戦でも80ヤードのパントを蹴っています。

2005年、2006年にはプロボウルとオールプロに選出され、NFLを代表するパンターとしての地位を確立しました。2006年のプロボウルでは、フェイクパントを試み、自らボールを持ってファーストダウンを狙いましたが、惜しくもショーン・テイラーに阻まれました。

2007年、ビルズと5年間1000万ドルという当時としては高額な契約延長を果たしました。これはパンターとしては当時シェーン・レクラーに次ぐ史上2位の高額契約でした。

2008年のシアトル・シーホークスとの開幕戦では、FGに見せかけて、ディフェンシブエンドのライアン・デニーに19ヤードのタッチダウンパスを通すというサプライズを見せました。

2009年には、バッファロー・ビルズ50周年記念チームに選ばれました。この年、自己ベストとなる平均46.6ヤード、4,192ヤードを蹴り、第7週のカロライナ・パンサーズ戦では8回のパントで平均45.0ヤード、うち4回を敵陣20ヤード以内に蹴り込み、AFCスペシャルチーム部門の週間MVPに選ばれました。

一時解雇と復帰

2012年、ムーアマンはビルズから解雇されましたが、その後ダラス・カウボーイズと契約し、シーズン終了までパンターを務めました。2013年にはピッツバーグ・スティーラーズと契約しましたが、シーズン開幕前に解雇され、その後バッファロー・ビルズに復帰しました。2014年にはビルズと1年の契約延長を果たしています。

慈善活動

ムーアマンは、2004年に妻と共にニューヨーク州西部の難病に苦しむ子供たちのための基金を設立し、慈善活動にも積極的に取り組んでいます。

ブライアン・ムーアマンは、卓越したパンティング技術とスポーツマンシップ、そして社会貢献活動を通じて、多くの人々に感動を与え続けています。

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