ブラザー イン アームズ ヘルズハイウェイ

『ブラザー イン アームズ ヘルズハイウェイ』は、ユービーアイソフトが手掛ける人気シリーズ『ブラザー イン アームズ』の第3作目にあたる作品です。海外では携帯ゲーム機版を含めるとシリーズ6作目となります。日本では、Xbox 360版が2008年10月30日に、PlayStation 3版が同年11月27日に発売されました。北米ではXbox 360版とPS3版が同年9月23日、Windows版が10月7日にリリースされ、ヨーロッパでは9月26日と10月10日にそれぞれ発売されました。

本作は、前作『名誉の代償』の主人公ジョー・“レッド”・ハートソック軍曹から、『ロード トゥ ヒル サーティー』の主人公であるマット・ベイカー軍曹へと再び主人公が交代しました。アンリアルエンジン3を採用し、グラフィックが大幅に向上し、よりリアルな戦場が表現されています。建物や遮蔽物などのオブジェクトは物理演算に基づき破壊可能になり、戦術の幅が広がりました。また、分隊には新たにバズーカ部隊が加わり、戦略の多様性が増しています。マルチプレイでは、最大20人が参加可能になり、アメリカ軍とドイツ軍に分かれてリーダー、タンクチーム、スペシャリスト、ライフル兵のいずれかの役割で戦います。

日本語版とドイツ語版では、暴力表現に対する規制が施されており、キャラクターの負傷描写などに不自然な点が見られることがあります。本作のストーリーは、連合軍がドイツ軍への大きな打撃を与えつつあった1944年9月を舞台にしています。作戦名の呼び方は異なるものの、マーケット・ガーデン作戦を遂行する中で、第101空挺師団は苦戦を強いられ、多くの犠牲者を出していました。連合軍は過酷な任務に耐えながら、ドイツ本国への進軍を決意します。1944年9月17日、史上最大の作戦の一つである「ノルマンディー上陸作戦」を引き継ぐ形で「マーケット・ガーデン作戦」が開始され、マット・ベイカー軍曹率いる部隊の兵士たちの人間ドラマが描かれます。

登場人物は、第101空挺師団F中隊第3分隊のメンバーを中心に構成されています。主人公のマット・ベイカー軍曹は、過去の戦いで部下が次々と死んでいく中で、自身が持つピストルにまつわるジンクスに悩まされます。サム・コリオン伍長は武器の知識が豊富で、過去作から登場していますが、本作では若干性格が変化しています。トマス・“ザノ”・ザノビッチ伍長は迷信深く、ベイカーのピストルを不吉に思っています。ジャック・コートランド伍長はヤンキースの捕手を目指しており、ピストルの噂を信じません。新兵のフランキー・“ビーンズ”・ラロッシュ二等兵は射撃能力が高い一方、コリオンからは経験不足を指摘されます。ゲリー・“ジャズ”・ジャスパー上等兵やティモシー・コナー上等兵はユーモラスなキャラクターで、部隊の雰囲気を和ませています。マイク・ドーソン上等兵やネイサン・ホールデン上等兵は、ベイカーの隠された真実を知る重要な役割を担います。

第2分隊の隊長ジョー・“レッド”・ハートソック軍曹は、前作の主人公で、ベイカーの部隊と協力して作戦を遂行します。フランクリン・パドック伍長は他の兵士を見下しており、部隊内で孤立しています。その他の兵士として、グレッグ・“マック”・ハッセー曹長、ジェイコブ・キャンベル伍長、ロバート・コール中佐、ロバート・シンク大佐などが登場します。また、過去作で死亡したケビン・レゲット二等兵が幻影として登場し、ベイカーを苦しめます。

本作は、アメリカのテレビドラマ『バンド・オブ・ブラザーズ』の影響を強く受けていると評されており、ロバート・シンク大佐役の声優には、同ドラマで同役を演じたデイル・ダイが起用されています。シリーズの過去作としては、『ブラザー イン アームズ ロード トゥ ヒル サーティー』と『ブラザー イン アームズ 名誉の代償』が挙げられます。

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