ブラシノキ

ブラシノキ (Callistemon speciosus)

ブラシノキは、フトモモ科ブラシノキ属に分類される常緑性の小高木です。カリステモンという名前でも知られていますが、これは属名のラテン語読みです。その他、ハナマキ、キンポウジュという別名もあります。

学名のCallistemonは、ギリシャ語の「kallos（美）」と「stemon（雄しべ）」を組み合わせたもので、その名の通り、美しい雄しべが特徴的です。

特徴

原産地はオーストラリアで、観賞用として広く栽培されています。開花時期は5月から6月頃で、花弁は緑色で小さく目立ちませんが、赤色（まれに白色）の長い花糸が多数集まり、ブラシのような独特の形状をしています。この花糸がブラシノキの最大の特徴と言えるでしょう。

花は穂状の花序を形成し、花序の先端から新しい枝が伸びるという珍しい特徴を持っています。このため、花が咲き終わった後も枝が成長し続けます。

果実は朔果で、枝を取り囲むように多数形成されます。見た目は昆虫の卵のように見え、2～3年前の果実が枝に付いていることもあります。果実の中には粉状の種子が入っており、オーストラリアで発生する森林火災の熱によって果実が割れ、種子が放出されます。これは、ブラシノキが森林火災に適応した生態を持っていることを示しています。

ブラシノキ属は全部で34種あり、そのうち数種が観賞用として栽培されています。庭木や公園樹として利用されるほか、切り花としても人気があります。独特の形状の花と、常緑性で育てやすいことから、ガーデニング愛好家にも親しまれています。

まとめ

ブラシノキは、その美しい赤い雄しべとユニークな生態で人々の目を惹きつける植物です。オーストラリアの自然環境に適応したその姿は、観賞用だけでなく、植物の多様性を理解する上でも興味深い存在です。庭先で育てれば、開花時期には見事な赤いブラシ状の花を楽しむことができ、庭に彩りを加えてくれるでしょう。

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