ブラス!

『ブラス!』（Brassed Off）は、1996年に公開されたイギリスとアメリカ合作の映画です。

物語の舞台は、1990年代中盤のイギリス、ヨークシャー地方の炭鉱町グリムリー。この町は、炭鉱閉鎖の危機に直面し、住民たちは不安な日々を送っています。そんな中、町の歴史あるブラスバンド「グリムリー・コリアリー・バンド」は、全英ブラスバンド選手権への出場を目指し、練習に励んでいました。

そこに、グロリアという女性が訪れます。彼女は、かつてこの町で生まれ育ち、今は炭鉱に関する報告書を作成する仕事をしています。幼なじみのアンディとの再会、そしてバンドへの参加。しかし、彼女の仕事が炭鉱閉鎖に関わるものであることが発覚し、バンドメンバーとの間に溝が生まれてしまいます。

炭鉱の閉鎖が決定し、町は失意に暮れます。バンドメンバーも、生活苦やグロリアへの裏切りから、バンドを辞めていきます。しかし、グロリアは、炭鉱夫たちのために、そしてバンドのために、決勝出場のための資金を提供することを決意します。彼女は会社を辞め、退職金を資金に充てます。

決勝当日、ロイヤル・アルバート・ホールに立ったグリムリー・コリアリー・バンドは、見事優勝を果たします。指揮者のダニーは、サッチャリズムを批判し、トロフィーの受取を拒否。誇り高く「威風堂々」を演奏し、喜びを分かち合います。

映画は、音楽の力、コミュニティの絆、そして希望を描き出しています。炭鉱閉鎖という現実を前に、人々がどのように生きるかを問いかけ、観る者に感動と勇気を与えます。

映画の背景

原題の「Brassed Off」は、イギリス英語で「怒っている」「うんざり」という意味です。
劇中のセリフにある「10年前のスト」は、1984年に起きた全英炭鉱ストライキがモチーフになっています。
舞台であるグリムリーのモデルは、実際に南ヨークシャーにある炭鉱町のグライムソープです。本作のストーリーは、グライムソープ・コリアリー・バンドにまつわる実話を元にしています。
作中の演奏シーンではメインのキャスト達と一緒に、グライムソープ・コリアリー・バンドのメンバー達が出演しています。サウンドトラックも彼らの演奏によるものです。

主なキャスト

ダニー：ピート・ポスルスウェイト
グロリア：タラ・フィッツジェラルド
アンディ：ユアン・マクレガー

スタッフ

監督・脚本：マーク・ハーマン
音楽：トレヴァー・ジョーンズ
演奏：グライムソープ・コリアリー・バンド

『ブラス!』は、音楽と人間ドラマが織りなす、感動的な作品です。ぜひ一度、ご覧ください。

もう一度検索