ブラゾス郡 (テキサス州)

ブラゾス郡（Brazos County）

概要

アメリカ合衆国テキサス州の中央部東に位置するブラゾス郡は、広大な州内において重要な一角を占める郡です。2020年の国勢調査によれば、その人口は約23万3千8百人を超えています。郡の行政中心である郡庁所在地はブライアン市に置かれており、郡内で最も人口が多い都市はカレッジステーション市です。ブラゾス郡は、これら二つの主要都市を中心とするブライアン・カレッジステーション都市圏の一部を構成しています。郡の設立は1841年と比較的新しく、その名称は郡の西側を境界として流れるブラゾス川に由来しており、ブラゾリア郡も同様にこの川から名を採っています。

歴史

ブラゾス郡の歴史は、テキサスが共和国として歩み始めた時代に遡ります。1837年頃、現在のブラゾス郡として知られる地域の大半は、南に隣接するワシントン郡の一部でした。しかし、郡域を南北に二分する形で流れるブラゾス川が、郡政府へのアクセスにおいて大きな障壁となっていたことから、住民は新たな行政区画の設立を求めました。

こうした状況を受け、1841年1月、ワシントン郡から分離する形で「ナバソタ郡（Navasota County）」が新たに設けられました。郡設立後初の郡政委員会は、判事R.E.B.ベイラーを議長として、同年後半に現在のブライアン市から西へ約22キロメートル（14マイル）離れた場所にあったジョセフ・ファーガソンの私邸で開催されました。この時、郡庁所在地として指定されたのは「ブーンビル（Booneville）」という町でした。この名称は、入植者の一人であるモーデカイ・ブーンに敬意を表して名付けられたもので、ジョン・オースティンの所有地内に位置し、1841年にハイラム・ハノーバーによって測量が行われています。

しかし、ナバソタ郡としての期間は短いものでした。設立から一年足らずの翌1842年1月、郡の名称は現在の「ブラゾス郡（Brazos County）」へと変更され、今日に至っています。この改名は、郡の成り立ちにおいてブラゾス川がいかに重要な存在であったかを物語っています。

地理

アメリカ合衆国国勢調査局が発表したデータによると、ブラゾス郡の総面積は約1,528.1平方キロメートル（約590平方マイル）に及びます。この広大な面積のうち、陸地は約1,517.7平方キロメートル（約586平方マイル）を占めており、残りの約12.9平方キロメートル（約5平方マイル）が水域となっています。郡域全体に占める水域の割合は約0.76パーセントです。

ブラゾス郡は、その地理的な位置から、周辺の複数の郡と境を接しています。具体的には、北にレオン郡、北東にマディソン郡、東にグライムズ郡、南にワシントン郡、南西にバールソン郡、そして北西にロバートソン郡が隣接しています。

郡内を通過する主要な高規格道路には、東西を結ぶアメリカ国道190号線、南北に縦断するテキサス州道6号線、そして東西方向のテキサス州道21号線などがあり、これらの道路網が郡内の交通や周辺地域との結びつきを支えています。

人口と主な自治体

ブラゾス郡の人口に関する詳細な統計は、定期的に行われる国勢調査によって把握されています。2000年の国勢調査においても詳細な人口動態データが記録されました。

郡内にはいくつかの主要な都市や町が存在します。その中でも特筆すべきは、郡の行政機関が集まる郡庁所在地のブライアン市と、郡内で最も多くの人が暮らす都市であるカレッジステーション市です。これら二つの都市は密接な関係を持ち、共にブライアン・カレッジステーション都市圏を形成しています。

その他の主要な自治体としては、カーテン（Kurten）、ミリカン（Millican）、ウィクソンバレー（Wixon Valley）などが挙げられます。これらの町もまた、ブラゾス郡を構成する重要な要素となっています。

結び

ブラゾス郡は、その名称の由来となったブラゾス川と共に歴史を刻み、現在ではテキサス州中央部東における活気ある地域の一つとなっています。郡庁所在地のブライアンと主要都市カレッジステーションを中心に、教育、経済、文化など多様な側面において発展を続けています。

もう一度検索