ブラチスラヴァ＝ペトルジャルカ駅

ブラチスラヴァ＝ペトルジャルカ鉄道駅

ブラチスラヴァ＝ペトルジャルカ鉄道駅（スロバキア語: Železničná stanica Bratislava-Petržalka）は、スロバキアの首都ブラチスラヴァに位置する主要な鉄道駅です。この駅は、オーストリアやハンガリー方面への国際列車の始発駅としての役割を担っています。

概要

駅は、オーストリアとの国境に接するペトルジャルカ地区に位置し、コプチアンスカ通りに面しています。ドナウ川を挟んだ旧市街とは、路線バスや、自転車・歩行者専用のペトルジャルカ遊歩道で結ばれています。

電化方式は、オーストリア方面の1番ホームが交流15kV16.7Hz、ハンガリー方面の2番ホームが交流25kV50Hzとなっており、構内に電気セクションが設けられています。駅の南西部には工業団地が広がり、かつてのプレスブルク鉄道線の一部が、工場へと続く非電化の貨物専用線として残っています。

歴史

1897年、ブラチスラヴァ-ヘジェシャロム鉄道の駅として開業しました。この路線は、旧ブラチスラヴァ＝ノヴェー・メスト鉄道駅を起点とし、フランツ・ヨーゼフ橋（現・旧橋）を経由して、ハンガリーのヘジェシャロムでブダペスト方面の東部鉄道に接続していました。

1914年には、ウィーンとブラチスラヴァを結ぶ全長69kmの電化新線、プレスブルク鉄道のターミナル駅となり、1921年にはウィーン方面の東部鉄道に直結する支線の終点駅となりました。しかし、第二次世界大戦の影響で、プレスブルク鉄道の一部区間と支線の一部が放棄され、ウィーンへのターミナル機能を失いました。

民主化後の1990年、駅構内の改良工事とオーストリア国境区間の復旧工事が始まり、1998年にはオーストリアとの直通列車が復活しました。2001年には複合商業施設を備えた新駅舎が完成し、2005年以降はウィーン南駅との間でローカル急行列車が運行されています。駅前では、再開発ビル「ヴィエンナ・ゲート」の建設など、周辺地域の再開発も進められています。

駅構造

2面5線の地上駅で、1番ホームは駅舎に面した単式ホーム、2番ホームは島式ホームです。

1番ホーム：8号線、10号線（切欠きホーム）
2番ホーム：5号線、9号線、7号線（切欠きホーム）

ダイヤ

平日は1時間に1本、休日は2時間に1本、ウィーン経由ドイチュクロイツ行きの快速列車が発車します。

駅周辺

駅はペトルジャルカ地区に位置し、市の中心街から約3km離れています。

接続バス路線

駅の西口からは、ペトルジャルカ地区内のバスが主に発車します。駅舎前やヴィエンナ・ゲート前、ウーデルニーツカ通り、Pneubox前などに乗り場があります。

駅の東口からは、旧市街・本駅方面や、ルソヴツェ方面への中距離バスが発車します。駅出口横やチェコスロバキア商業銀行リース前などに乗り場があります。

将来

プレスブルク鉄道の跡地を利用し、ウィーン空港駅からブラチスラヴァ＝ペトルジャルカ駅を経てブラチスラヴァ空港までを結ぶ新線を建設する構想があります。また、欧州委員会の欧州横断交通網構想では、将来の欧州高速鉄道網におけるスロバキアのターミナル駅として位置づけられています。

隣の駅

スロバキア国鉄

ブラチスラヴァ - キッツェー - ヴィーン線
快速：キッツェー駅 - ペトルジャルカ駅
* 普通：キッツェー駅 - ペトルジャルカ駅

その他

ペトルジャルカ駅からは、ウィーン方面、ブダペスト方面、ブラチスラヴァ本駅方面の3方向に路線が伸びています。しかし、ブダペスト方面は2008年以降、ブラチスラヴァ本駅方面は2011年以降、定期列車の運行がありません。そのため、ペトルジャルカ駅を発着する定期列車は全てウィーン方面の始発・終着列車となっています。また、ウィーン方面の列車は、次駅のキッツェーが既にオーストリアであり、その後はオーストリアとハンガリーの駅にしか停車しません。そのため、発着する定期列車の全てが国際列車であるにも関わらず、スロバキア国内の他駅へ乗り換えなしで行けないという珍しい駅となっています。

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