ブラックストーン・グループ

ブラックストーン・グループとは

ブラックストーン・グループ（The Blackstone Group、NYSE: BX）は、アメリカ合衆国に拠点を置く世界最大級の投資ファンド運用会社です。1985年にピーター・G・ピーターソンとスティーブン・シュワルツマンによって設立され、バイアウトファンドを主軸に、不動産、ヘッジファンドなどオルタナティブ投資を幅広く手掛けています。

設立と成長

リーマン・ブラザーズを退職したピーターソンとシュワルツマンが、ニューヨークのリバーハウスに本社を構え創業しました。現在では、アトランタ、ボストン、ロンドン、ハンブルク、パリ、ムンバイ、香港、東京など世界各地に支社を展開しています。設立当初はバイアウトファンドが中心でしたが、現在は不動産ファンド、ヘッジファンドを含む市場性オルタナティブ投資ファンド、財務アドバイザリー部門の4つのセグメントで構成される総合的なオルタナティブ投資会社へと成長しました。2010年時点での運用資産は1191億ドルを超え、その規模の大きさが伺えます。

中国との関係

2007年の株式上場時には、中国投資有限責任公司が30億ドル相当の非議決権株式を取得したことが注目されました。また、ブラックストーンが保有する資産には軍事・衛星技術関連の会社が含まれており、その技術が中国政府に渡ることをアメリカ政府が懸念しているという指摘もあります。

創業者と政治的影響力

CEOのスティーブン・シュワルツマンは、2020年には個人資産が210億ドルに達しました。また、彼は中国の清華大学に多額の寄付を行い、経済管理学院顧問委員会にも名を連ね、自身の名を冠したカレッジを設立するなど親中派としても知られています。さらに、ドナルド・トランプ元大統領の友人であり顧問でもあったことから、アメリカ政府の対中外交に一定の影響力を持っているとされています。

ブラックストーンの名称の由来

ブラックストーンという社名は、創業者2人の姓に由来します。シュワルツマンの「Schwarz」はドイツ語で「黒（ブラック）」、ピーターソンの「Peter」はギリシャ語で「石（ストーン）」を意味します。この2つの言葉を組み合わせたものが、ブラックストーンという社名になっています。

主な投資事例

ブラックストーンは、様々な分野で積極的な投資を行っています。以下に主な投資事例を紹介します。

2021年4月： 不動産投資信託会社Extended Stay Americaを61億ドルで買収。パンデミック中のホテル業界では最大級の取引となりました。
2021年9月： 工業不動産のWPT Industrial Real Estate Investment Trustを30億ドルで買収し、工業物流分野での影響力を強化しました。
2022年2月： 商業不動産に特化したREIT会社PS Business Parksを80億ドルで買収しました。
2022年6月： 再生可能エネルギー分野への関心を示し、アメリカのエネルギー企業Invenergy Renewablesの一部株式を43億ドルで取得しました。
2022年11月： オーストラリアのカジノ運営大手Crown Resortsを約100億ドルで買収。アジア太平洋地域での大規模な投資となりました。
2024年6月： 日本の電子書籍配信サービス「めちゃコミック」などを展開するインフォコムに対して、完全子会社化を目的とした株式公開買付け（TOB）を実施。買収総額は2756億円を予定しており、日本国内では過去最大の企業買収となります。

関連企業

ブラックストーンと名前が類似している資産運用会社ブラックロックは、もともとブラックストーンの債券運用部門として設立されましたが、1995年に売却されています。

関連項目

投資ファンド
プライベート・エクイティ・ファンド
ジャックウルフスキン
ブラックロック
都ホテルズ&リゾーツ - 2021年10月より一部ホテルをブラックストーンと近鉄グループの共同出資による特別目的会社が所有しています。

外部リンク

公式ウェブサイト

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