ブラック・クロウズ

ブラック・クロウズ：南部ロックの魂を継ぐアメリカン・ロックバンド

ブラック・クロウズ（The Black Crowes）は、クリス・ロビンソン（ボーカル）とリッチ・ロビンソン（ギター）の兄弟を中心とした、アメリカのロックバンドです。1980年代後半に結成されて以来、サイケデリック・ロック、ブルースロック、サザン・ロックなどの要素を融合させた、独自の音楽性で多くのファンを魅了してきました。

バンドの歴史

1984年、ジョージア州アトランタで、ロビンソン兄弟はミスター・クロウズ・ガーデンというバンドを結成しました。その後、ジェフ・シーズ（ギター）、ジョニー・コルト（ベース）、スティーヴ・ゴーマン（ドラムス）が加入し、1989年にブラック・クロウズと改名。デフ・アメリカン・レコード（現アメリカン・レコーディングス）と契約を結びました。

彼らの音楽性は、グレイトフル・デッドの影響を受けつつ、サイケデリック・ロックやサザン・ロックの要素を取り込み、さらにブルース・ロックへと接近していきました。1990年に発表したデビューアルバム『シェイク・ユア・マネー・メイカー』は、オーティス・レディングのカバー「ハード・トゥ・ハンドル」が全米26位を記録、アルバム自体も全米4位と大ヒット。1991年にはモンスターズ・オブ・ロックにも出演しました。

その後、メンバーチェンジを経て、マーク・フォード（ギター）とエディ・ハーシュ（キーボード）が加入し、6人編成となったブラック・クロウズは、1992年にセカンドアルバム『サザン・ハーモニー』を発表し、全米1位を獲得しました。同年には初来日公演も実現しています。

その後も、『アモリカ』（1994年）、『スリー・スネークス・アンド・ワン・チャーム』（1996年）とアルバムをリリースしましたが、一時的な勢いは落ち着きを見せました。しかし、いずれも全米チャートのトップ20入りを果たしています。

2000年代に入ると、メンバーの脱退や加入を繰り返しながら、活動を継続。1999年にはジミー・ペイジとの共演を果たし、その模様はライブアルバム『ライヴ・アット・ザ・グリーク』としてリリースされました。

2002年に一度活動を休止しましたが、2005年に再結成。その後もメンバーチェンジを繰り返しながら、ライブ活動やアルバム制作を行ってきました。

2015年には再び解散しましたが、2019年にロビンソン兄弟が和解し、2019年11月11日のニューヨークでのライブで、三度目の再結成を果たしました。現在は、新メンバーを加えて活動を続けています。

音楽性

ブラック・クロウズの音楽性は、1970年代のロックンロールのサウンドをベースに、ブルース、ソウル、ゴスペルなどの要素を融合させたものです。クリス・ロビンソンのソウルフルなボーカルと、リッチ・ロビンソンのブルージーなギタープレイが特徴で、そのサウンドは「南部ロック」と呼ばれるジャンルに分類されることもあります。

メンバー構成

現在のメンバーは以下の通りです。

クリス・ロビンソン (ボーカル)
リッチ・ロビンソン (ギター)
スヴェン・パイピーン (ベース)

過去には、ジェフ・シーズ、マーク・フォード、オードリー・フリードなど、多くのギタリストが在籍していました。

影響

ブラック・クロウズは、オールマン・ブラザーズ・バンド、レーナード・スキナード、グレイトフル・デッドなどのバンドから大きな影響を受けています。また、ステレオフォニックスなど、同世代のバンドとも親交が深く、共演歴もあります。

ディスコグラフィー

スタジオ・アルバム

シェイク・ユア・マネー・メイカー (1990年)
サザン・ハーモニー (1992年)
アモリカ (1994年)
スリー・スネークス・アンド・ア・チャーム (1996年)
バイ・ユア・サイド (1999年)
ライオン (2001年)
ウォーペイント (2008年)
ビフォア・ザ・フロスト (2009年)
アンティル・ザ・フリーズ (2009年)
Croweology (2010年)

ライブ・アルバム

Live At The Greek (2000年) - ジミー・ペイジとの共演盤
Live (2002年)
Freak 'n' Roll...Into The Fog (2006年)
Warpaint: Live (2009年)
Wiser For The Time (2013年)

ブラック・クロウズは、その音楽性、メンバー間のドラマ、再結成と、話題に事欠かないバンドです。彼らの音楽は、今もなお多くのロックファンを魅了し続けています。

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