ブラック・レコード〜禁じられた記録〜

第二次世界大戦直前の1939年、イギリスの名家キース家の養女アンは、女優として成功を収め、家族と共に幸せな日々を送っていました。しかし、彼女はある秘密のレコードを発見することから、運命の歯車が狂い始めるのです。

アンは、郊外の屋敷の倉庫で、奇妙な会議の録音がされたレコードを見つけます。その内容は、まもなく謎の自殺を遂げる若手議員ヘクターの死と関係しているかのように思われました。アンは、親友である俳優のギルバートに相談しますが、ギルバートもまた、不可解な自殺を遂げます。

新たなレコードを再生したアンは、さらに衝撃的な事実を耳にします。そこには、内務省の職員バルコムと、なんとアンの実弟で外務省勤務のラルフの声が録音されていたのです。絶望したアンは、恋人で外務省職員のローレンスに相談しますが、ローレンスはすでに全てを知っていたのです。

ローレンスとの待ち合わせ場所に向かったアンでしたが、ローレンスは殺されていたのです。混乱の中、逃げ出したアンは、父であるアレクサンダー卿に捕まり、幽閉されてしまいます。そこで、バルコムから衝撃的な真実を告げられます。

それは、アレクサンダー卿が、ドイツとの戦争を避けるため、一族を巻き込んだ陰謀を企てているという事実でした。イギリスという国家という大義名分の下、ラルフやアンの妹セリア、そしてアンの従弟であるウォルターを含む一族全員が、その陰謀に加担していたのです。

アンは、この企みに協力することを拒否します。そして、ある日、母であるモードの助けによって、幽閉された屋敷から脱出します。幸せな日々を思い出しますが、アンは全てを捨て、一人、走り去るのです。

それから70年後、アンの妹セリアの孫であるマイケルは、アンのその後を調査するため、アレクサンダー卿の甥であるウォルターとオリヴァーを訪ねます。ウォルターは、アンが20年前にカナダで亡くなったと語ります。しかし、マイケルは、ウォルターとオリヴァーを公園に連れて行き、そこで衝撃の事実を告げます。

車椅子に乗った老女を押していたのは、マイケルの母でした。その老女こそ、アンだったのです。マイケルは、全てを知った上で、真実をウォルターから聞きたかったと明かします。この70年間、隠されていた国家機密と、家族の秘密、そして愛と裏切りの物語が、ついに明かされるのです。

この映画は、第二次世界大戦という歴史的背景を巧みに利用し、政治的陰謀と家族の絆、そして個人の葛藤を描き出した、重厚なサスペンス作品です。豪華なキャスト陣と、緊迫感溢れる展開は見どころです。歴史の闇に隠された真実と、その真実を知る者たちの苦悩が、観る者の心に深く刻まれることでしょう。キャストには、ロモーラ・ガライ、ビル・ナイ、ジュリー・クリスティ、エディ・レッドメイン、ジュノー・テンプルなど、実力派俳優が多数出演しています。彼らの演技は、この映画にさらに深みを与えています。

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