ブラッド・リッジ

ブラッドリー・トーマス・リッジ（Bradley Thomas "Brad" Lidge, 1976年12月23日 - ）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サクラメント出身の元プロ野球選手で、主にリリーフ投手として活躍しました。そのキャリアは、ヒューストン・アストロズ、フィラデルフィア・フィリーズ、ワシントン・ナショナルズの3球団に及びます。

経歴

リッジは1995年のMLBドラフトでサンフランシスコ・ジャイアンツから42巡目で指名されましたが、契約せずにノートルダム大学に進学しました。大学時代には1998年に80.1イニングで93奪三振、8勝2敗という成績を残し、ビッグ・イースト・カンファレンスの最優秀投手にも選ばれています。1998年のMLBドラフトでは、ヒューストン・アストロズから1巡目（全体17位）で指名され、プロ入りを果たしました。

アストロズ時代

プロ入り後、リッジは度重なる故障に苦しみ、メジャーデビューまでに4回の手術を経験しています。2002年4月26日にアトランタ・ブレーブス戦でメジャーデビューを飾りました。2003年には、ビリー・ワグナーにつなぐ中継ぎ投手として活躍し、78試合に登板して28ホールドを記録。被打率.202はリーグ新人投手の中で最も低い数字でした。シーズン終了後の新人王投票では5位に入っています。

2004年、アストロズはリッジをクローザーとして起用することを決め、ワグナーをトレードで放出。当初はセットアッパーとして起用されましたが、抑え投手の移籍に伴い、リッジがクローザーに転向しました。この年、リッジは29セーブを挙げ、リリーフ投手としてシーズン157奪三振を記録し、リーグ新記録を樹立しました。2005年には、42セーブを記録し、アストロズのポストシーズン進出に貢献。特に6月21日から9月28日まで24連続セーブを記録しました。しかし、リーグチャンピオンシップシリーズ第5戦では、アルバート・プホルスに逆転3点本塁打を打たれ、チームはワールドシリーズに進出したものの、リッジ自身はワールドシリーズで2敗を喫しました。

2006年には通算100セーブを達成しましたが、その後は不安定な投球が続き、2007年にはシーズン途中でクローザーの座を譲るなど、苦しいシーズンを送りました。

フィリーズ時代

2007年オフ、リッジはフィラデルフィア・フィリーズに移籍しました。移籍後、右膝の手術を受け、不安なスタートとなりましたが、開幕からセーブ機会を確実に成功させ、シーズン中に契約延長を勝ち取りました。2008年にはオールスターゲームにも選出されました。後半戦もセーブ機会を全て成功させ、41セーブを記録し、エリック・ガニエに次ぐ史上2人目の「成功率100%でシーズン40セーブ以上」を達成しました。プレーオフでも7回のセーブ機会を全て成功させ、チームを28年ぶりのワールドシリーズ制覇に導き、カムバック賞を受賞しました。サイ・ヤング賞の投票でもリリーフ投手として最高の4位に入りました。しかし、2009年は31セーブを挙げたものの、11回のセーブ失敗と防御率7点台、8敗と苦戦しました。

ナショナルズ時代

2012年1月、リッジはワシントン・ナショナルズと契約しましたが、故障や不調に苦しみ、6月に自由契約となりました。2012年12月2日に現役引退を発表しました。2013年8月1日、古巣のフィリーズと1日契約を結び、フィリーズの一員として正式に引退しました。

投球スタイル

リッジは、最速160km/h近い速球とスライダーを武器に、多くの三振を奪う投球スタイルで知られています。デビュー以来、投球回数を上回る奪三振を記録し、特に2004年には157奪三振でリリーフ投手のリーグ記録を更新しました。

詳細情報

年度別投手成績
年度別守備成績
表彰
カムバック賞：2008年
最優秀救援投手：2008年
ローレイズ・リリーフマン賞：2008年
DHL デリバリー・マン・オブ・ザ・イヤー：2008年
DHL デリバリー・マン・オブ・ザ・マンス：2005年7月
記録
MLBオールスターゲーム選出：2回（2005年、2008年）
成功率100%でシーズン40セーブ以上：2008年（史上2人目）
47試合連続セーブ成功：2007年 - 2009年（当時歴代3位）
背番号：54（2002年 - 2012年）
代表歴：2006 [[ワールド・ベースボール・クラシック]]・アメリカ合衆国代表

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