ブラッド・レッド・ローゼズ

ロッド・スチュワート『ブラッド・レッド・ローゼズ』

『ブラッド・レッド・ローゼズ』は、ロッド・スチュワートが2018年にリリースした30枚目のスタジオ・アルバムです。このアルバムは、彼の音楽キャリアにおいて重要な位置を占めており、彼の人生経験や感情が深く反映された作品として評価されています。

背景と特徴

このアルバムは、2013年の『タイム〜時の旅人〜』と同様に、ロッド自身のオリジナル曲が中心となっています。13曲中、カバー曲はわずか3曲にとどまり、彼の創作意欲とパーソナルな表現へのこだわりが強く感じられます。

収録曲には、長年の親友に捧げられた「フェアウェル」、薬物依存症に苦しむ娘を持つ父親の視点から描かれた「ディドゥント・アイ」など、ロッド自身の人生や周囲の人々への想いを歌った曲が多数収録されています。また、タイトル曲である「ブラッド・レッド・ローゼズ」は、トラディショナル・ソングに新たなパートを書き加えたもので、彼のルーツへの敬意が表れています。

「グレース」は、1916年のイースター蜂起を題材にしたカバー曲で、セルティックFCのサポーターが歌っているのを耳にしたことがきっかけで、この曲を取り上げることにしたそうです。また、「ジュリア」は、彼が10歳の頃の初恋をテーマにした曲で、甘く切ない思い出が表現されています。「コールド・オールド・ロンドン」は、過去の恋愛を振り返った曲で、彼の正直な感情が垣間見えます。

評価と反響

『ブラッド・レッド・ローゼズ』は、リリース後、世界中で高い評価を受けました。母国イギリスでは、全英アルバムチャートで1位を獲得し、彼の通算9作目の全英1位獲得アルバムとなりました。スウェーデンでもトップ10入りを果たし、ヨーロッパを中心に大きな成功を収めました。

音楽評論家からの評価も概ね良好で、AllMusicのStephen Thomas Erlewineは、「元気な老人の粋な人生を捉えた、本当に個人的なレコード」と評しています。一方で、The Independentのアレクサンドラ・ポラードは、アルバム全体を批判しつつも、「ディドゥント・アイ」と「フェアウェル」を評価しています。

収録曲

1. ルック・イン・ハー・アイズ
2. ホール・イン・マイ・ハート
3. フェアウェル
4. ディドゥント・アイ
5. ブラッド・レッド・ローゼズ
6. グレース
7. ギヴ・ミー・ラヴ
8. レスト・オブ・マイ・ライフ
9. ローリン・アンド・タンブリン
10. ジュリア
11. ハニー・ゴールド
12. ベガス・シャッフル
13. コールド・オールド・ロンドン

まとめ

『ブラッド・レッド・ローゼズ』は、ロッド・スチュワートの音楽的な才能と、彼自身の人生経験が融合した傑作と言えるでしょう。彼のファンはもちろん、幅広い音楽ファンにおすすめできる作品です。

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