ブラフマーユ経

ブラフマーユ経について

『ブラフマーユ経』（巴: Brahmāyu-sutta）は、パーリ仏典の中部に収められた重要な経典であり、第91経に位置付けられています。これは、優れた婆羅門であるブラフマーユ（梵摩）が釈迦に帰依する様子を描いており、仏教の教えを深く理解するための資料となっています。また、この経典は『梵摩経』とも呼ばれ、漢訳の類似文献『中阿含経』の中にも同様の内容が見られます。

経典の構成と主要登場人物

この経典の主要な登場人物としては、釈迦（仏陀）、ブラフマーユ、さらに彼の弟子であるウッタラがいます。ブラフマーユは非常に優れた婆羅門であり、その年齢は120歳という長寿を誇ります。

物語の背景

物語は、釈迦がミティラーに滞在している場面から始まります。ブラフマーユは自身の弟子であるウッタラに、評判の高い釈迦が持つ「三十二相」を確認するよう命じます。三十二相とは、仏教において仏陀に特有の物理的特徴を指します。ここに描かれるのは、ブラフマーユの信仰心の深さと、釈迦への興味です。

ウッタラの報告

ウッタラは、釈迦に会うため7ヶ月間の旅を経た後、無事に帰国します。彼は、釈迦が実際に三十二相を有しており、また多くの聖人らしい振る舞いを持っていることを報告します。この報告を受けて、ブラフマーユは釈迦に帰依することを決意します。

釈迦との出会い

ブラフマーユは、ミティラーのマガデーヴァ園に滞在中の釈迦を訪れ、三十二相を確認した後、釈迦への帰依を表明します。さらに、彼は四諦などの仏法を釈迦から教えてもらうことを願います。

ブラフマーユの最期

ブラフマーユはその後すぐに亡くなりますが、彼の死後、その弟子たちが彼の行き先を尋ねに釈迦のもとに訪れます。釈迦は、ブラフマーユが五下分結を断ち切ったため、不還者となったことを告げます。これを通じて、ブラフマーユの生涯の最後には、彼の信仰と教えの深さがしっかりと伝わる形で描かれています。

結論

『ブラフマーユ経』は、仏教の教えを深く理解できる重要な経典です。ブラフマーユの信仰の成長と釈迦との関わりを通じて、仏教の重要な哲学である帰依の意味や、解脱への道を示す内容となっています。また、この経典は、修行者としての心のあり方や、師弟の絆の重要性についても考えさせられる作品です。

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