ブランク・スペース

ブランク・スペース (Blank Space)

「ブランク・スペース」（英語: Blank Space）は、アメリカ合衆国のシンガーソングライター、テイラー・スウィフトによって発表された楽曲です。2014年10月27日にリリースされた彼女の通算5作目のスタジオアルバム『1989』から、セカンドシングルとして同年11月10日に発売されました。このシングルは、ビッグマシン・レコードとユニバーサル ミュージック グループ傘下のリパブリック・レコードからリリースされています。

楽曲について

この楽曲は、テイラー・スウィフト自身がマックス・マーティン、シェルバックと共に作詞・作曲を手がけました。プロデュースも同様にマックス・マーティンとシェルバックが担当しており、彼らの得意とする洗練されたポップサウンドが特徴です。

歌詞のテーマは、メディアや世間が作り上げたテイラーのイメージに対する皮肉や自己パロディ的な要素を含んでいます。多くの男性と交際しては破局し、その経験を歌詞にすると揶揄される彼女自身を、「気まぐれで、独占欲が強く、最終的には恋人を破滅させる女性」というキャラクターとして演じているかのような内容となっています。この風刺的なアプローチが、楽曲の大きな魅力の一つとなっています。

評価と受賞

「ブランク・スペース」は批評家からも高い評価を受け、商業的にも大成功を収めました。音楽誌『ローリング・ストーン』が選定した2014年の年間ベストソング・トップ50では、見事6位にランクインしています。

音楽界最高の栄誉とされるグラミー賞でも注目されました。2016年に開催された第58回グラミー賞では、主要部門である最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞のほか、最優秀ポップ・ソロパフォーマンスの合計3部門にノミネートされました。惜しくも受賞は逃しましたが、楽曲の質の高さと影響力が広く認められた形となりました。

ミュージックビデオ

楽曲と同様に、そのミュージックビデオも大きな話題となりました。豪華な邸宅を舞台に、テイラーが魅力的な女性を演じますが、やがて恋人に対する独占欲や嫉妬から、ヒステリックで狂気的な姿へと豹変していく様子が描かれています。テイラー自身は、このビデオについて「今までの中で最もクレイジー」と表現し、メディアが生み出した「破局ソングの女王」というイメージを逆手に取った、過激でユーモラスな内容を楽しんで演じたと語っています。

このビデオは視覚的なインパクトとストーリー性から絶賛され、数々の賞を受賞しました。2015年のMTV Video Music Awardsでは、最優秀ポップビデオ賞と最優秀女性ビデオ賞の二冠を達成。また、『ローリング・ストーン』誌が選ぶ2014年の年間ベストビデオ・トップ10でも4位に選ばれています。

さらに、デジタルプラットフォームでの視聴数においても歴史的な記録を樹立しました。2015年10月には、動画共有サービスVEVOにおいて、公開からわずか1年足らずで史上最多の視聴回数を記録し、その人気と影響力の大きさを示しました。

収録曲

シングルには、オリジナルバージョンに加え、リミックスバージョンが収録されています。

Blank Space [3:51]
Produced by Max Martin, Shellback
(作詞・作曲：Taylor Swift, Max Martin, Shellback)
Blank Space (Mr. Worldwide Remix) [3:58]
ピットブルによるリミックス。
Blank Space (Jump Smokers Remix) [4:43]
ジャンプ・スモーカーズによるリミックス。

クレジット

楽曲制作に関わった主なミュージシャンおよびエンジニアは以下の通りです。

Taylor Swift: ボーカル、バッキングボーカル、シャウト
Max Martin: キーボード、プログラミング
Shellback: アコースティックギター、エレキギター、ベース、パーカッション、キーボード、ストンプ、プログラミング、シャウト
Recorded by: マイケル・イルバート、サム・ホランド
Assistant Recorded by: コーリー・バイス
Mixed by: サーバン・ゲネア
Engineer: ジョン・ヘインズ
* Mastered by: トム・コイン

この楽曲は、『1989』というアルバムが持つ80年代風のシンセポップサウンドを体現しつつ、テイラー・スウィフトのアーティストとしての成熟と遊び心を示す一曲として、現在も多くのファンに愛され続けています。

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