マックス・マーティン

マックス・マーティン：現代音楽史を彩るヒットメーカー

スウェーデン出身のマーティン・カール・サンドバーグは、マックス・マーティンという名で世界的に知られる音楽プロデューサー、ソングライターです。ASCAPアワードの最優秀ソングライター賞、そして権威あるグラミー賞の年間最優秀プロデューサー賞を受賞するなど、その才能は高く評価されています。

彼の最大の功績は、数々の世界的ヒット曲を世に送り出した点にあります。Billboard Hot 100において、プロデューサーとして25曲、ソングライターとして27曲が1位を獲得しており(2024年時点)、プロデューサーとしては歴代1位、ソングライターとしてはポール・マッカートニーに次ぐ2位という輝かしい記録を打ち立てています。

輝かしいキャリアの始まりと進化

1990年代半ば、ソングライターとして頭角を現し、瞬く間にトップクリエイターの地位を確立しました。初期の代表作には、バックストリート・ボーイズの「I Want It That Way」「Larger Than Life」「Show Me the Meaning of Being Lonely」「Everybody」、ブリトニー・スピアーズの「...Baby One More Time」「Oops!... I Did It Again」、セリーヌ・ディオンの「That's the Way It Is」、ボン・ジョヴィの「It's My Life」など、時代を象徴する数々のヒット曲が含まれます。

1990年代後半から2000年代前半にかけては、ダンスミュージックの影響を受けたピアノとシンセサイザーを基調としたポップサウンドに、ファンク、ヘビーメタル、ユーロポップといった多彩な要素を融合した独自のスタイルが特徴でした。しかし、ケリー・クラークソンの「Since U Been Gone」「Behind These Hazel Eyes」(2004年、2005年)あたりから、より重厚なロックサウンドを取り入れるなど、音楽性も進化を遂げていきます。2009年にはR&Bジャンルにも進出し、レオナ・ルイス、リアーナ、アッシャー、T.I.といったアーティストに楽曲を提供するなど、その活動は多岐にわたります。

2008年以降もヒット曲は続き、ピンクの「So What」「Raise Your Glass」、ケイティ・ペリーの「Hot n Cold」「I Kissed a Girl」「Teenage Dream」「California Gurls」、ケリー・クラークソンの「My Life Would Suck Without You」、ブリトニー・スピアーズの「3」「Hold It Against Me」など、10曲ものナンバーワンヒットを生み出しました。

現代音楽シーンへの貢献

2010年以降も、ケイティ・ペリー、マルーン5、テイラー・スウィフト、アリアナ・グランデ、ザ・ウィークエンド、コールドプレイ、エド・シーラン、アデル、リゾ、マネスキンなど、現代を代表する多くのアーティストとコラボレーション。その作品群には、「Roar」「Dark Horse」「We Are Never Ever Getting Back Together」「Blank Space」「Shake It Off」「Bad Blood」「CAN'T STOP THE FEELING!」「Can't Feel My Face」「Blinding Lights」「My Universe」といった、Billboard Hot 100で1位を獲得した楽曲も数多く含まれています。これらの楽曲は、時代を反映したサウンドとキャッチーなメロディーで、世界中の人々を魅了し続けています。

全米1位獲得楽曲一覧（抜粋）

マックス・マーティンがソングライターとして参加し、Billboard Hot 100で1位を獲得した楽曲は膨大です。以下はその一部です。太字はプロデューサーも兼任した楽曲を示します。

ブリトニー・スピアーズ - 『...Baby One More Time』(1998年)
イン・シンク - 『It's Gonna Be Me』(2000年)
ケイティ・ペリー - 『I Kissed a Girl』(2008年)
ピンク - 『So What』(2008年)
ケリー・クラークソン - 『My Life Would Suck Without You』(2009年)
ブリトニー・スピアーズ - 『3』(2009年)
ケイティ・ペリー - 『California Gurls』(2010年)
ケイティ・ペリー - 『Teenage Dream』(2010年)
ケイティ・ペリー - 『Last Friday Night (T.G.I.F.)』(2010年)
ケイティ・ペリー - 『E.T.』(2010年)
ピンク - 『Raise Your Glass』(2010年)
ブリトニー・スピアーズ - 『Hold It Against Me』(2011年)
ケイティ・ペリー - 『Part of Me』(2012年)
マルーン5 - 『One More Night』(2012年)
テイラー・スウィフト - 『We Are Never Ever Getting Back Together』(2012年)
ケイティ・ペリー - 『Roar』(2013年)
ケイティ・ペリー - 『Dark Horse』(2013年)
テイラー・スウィフト - 『Blank Space』(2014年)
テイラー・スウィフト - 『Shake It Off』(2014年)
テイラー・スウィフト - 『Bad Blood』(2015年)
ザ・ウィークエンド - 『Can't Feel My Face』(2015年)
ジャスティン・ティンバーレイク - 『CAN'T STOP THE FEELING!』(2016年)
ザ・ウィークエンド - 『Blinding Lights』(2020年)
ザ・ウィークエンド & アリアナ・グランデ - 『Save Your Tears』(2021年)
コールドプレイ & BTS - 『My Universe』(2021年)
アリアナ・グランデ - 『Yes, And?』(2024年)
* アリアナ・グランデ - 『We Can't Be Friends (Wait for Your Love)』(2024年)

マックス・マーティンは、現代音楽シーンに計り知れない貢献を果たした、真のヒットメーカーと言えるでしょう。

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