ブランドン・モロー

ブランドン・ジョン・モロー：苦難を乗り越えた右腕

ブランドン・ジョン・モロー（Brandon John Morrow）は、1984年7月26日生まれのアメリカ合衆国出身のプロ野球選手（投手）です。右投右打。カリフォルニア大学バークレー校を経て、2006年のMLBドラフトでシアトル・マリナーズから1巡目（全体5位）で指名を受けプロ入りしました。

若き日の苦難とメジャーへの挑戦

ロナートパークのランチョ・コテート高等学校在籍中の2001年に1型糖尿病を発症。インスリンポンプを装着しながらのプレーを余儀なくされます。2003年のMLBドラフトでアナハイム・エンゼルスから指名を受けるも入団せず、カリフォルニア大学バークレー校に進学。大学で実力を磨き、2006年のMLBドラフトでシアトル・マリナーズから1巡目指名を受け入団。

マリナーズ時代：リリーフとしての台頭

2007年にメジャーデビュー。当初は制球難に苦しみましたが、持ち前の球速と奪三振能力でセットアッパーとして活躍。2008年にはクローザーも務め、将来の先発投手としての期待も高まりました。

ブルージェイズ時代：先発としての開花と故障

2009年オフにトロント・ブルージェイズへ移籍。2010年には先発ローテーション入りを果たし、17奪三振完封勝利を記録するなど飛躍の兆しを見せました。2011年には自身初の200奪三振と規定投球回到達。2012年には3年総額2000万ドルで契約を延長し、エースとしての地位を確立しかけましたが、故障に悩まされ、2013年、2014年と満足に投げることができませんでした。

パドレス、ドジャース時代：リリーフとしての復活

2014年オフにFAとなり、サンディエゴ・パドレスへ移籍。2016年には9年ぶりにリリーフ専門として好成績を残しました。2017年にはロサンゼルス・ドジャースで防御率2.06と抜群の安定感を発揮。ポストシーズンでも重要な場面で登板し、ワールドシリーズでは全7試合に登板するなど、チームのワールドシリーズ進出に大きく貢献しました。

カブス、そして再びドジャースへ

2017年オフにシカゴ・カブスと契約。しかし、故障の影響もあり、2019年オフにFAとなりました。2020年にはドジャースとマイナー契約を結びましたが、メジャー復帰は叶いませんでした。

投球スタイル

最速160km/hを超える速球とスライダーが主な武器。2012年からはチェンジアップを増やし、投球の幅を広げました。速球は「きれいなバックスピンがかかった、本当に真っ直ぐな（真っ直ぐに近い）球筋」と評され、打者にとっては浮き上がるように見える球筋が特徴です。

成績と記録

ブランドン・モローは、メジャーリーグで通算12年間プレーし、先発とリリーフの両方で活躍しました。ポストシーズン年間登板試合数14は、歴代1位タイの記録です。

1型糖尿病との闘い

ブランドン・モローは、1型糖尿病と診断されながらも、インスリンポンプを装着してメジャーリーグで活躍を続けました。病と闘いながらも、常に全力でプレーする姿は、多くの人々に勇気を与えました。

ブランドン・モローは、その卓越した才能と不屈の精神で、多くの野球ファンを魅了した投手でした。

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