ブラーノ

ブラーノ (Burano)

ブラーノは、イタリア北東部の美しいヴェネツィアの潟に位置する魅力的な島です。この島は、コムーネとしてヴェネツィアの一部を形成し、合計で4つの小さな島からなる群島です。これらの島々は、橋で結ばれており、住民にとっての海の風景を楽しむのに最適な場所でもあります。

この小島の最大の特徴は、何と言ってもその鮮やかに彩られた家々です。また、ブラーノでは美しいレース編みが名物となっており、手作りレースは観光客に大変人気があります。特に、漁師たちは霧の立ちこめる冬の間でも自分の家を見つけやすくするために、家を目立つ色で塗ることが流行しました。現在では、外壁の色を変更する際にはヴェネツィア市当局の許可が必要となり、隣家と異なる色で塗ることが義務付けられています。

名物を持つ住宅街

ブラーノの住宅街は、各棟が異なる鮮やかな色で塗られており、散策するには理想的な場所です。これらの家々は、先代の漁師たちの多くの努力によって形成されたもので、その色合いが独特の風情を醸し出しています。この色使いは、今や島のアイデンティティの一部ともなっています。

レースの伝統

ブラーノはレース編みの名産地としても知られています。これの歴史は15世紀や16世紀にさかのぼり、漁網の製作と補修技術がその基盤となっています。現在、島の東部には「レース博物館 (Museo del Merletto)」があり、ここでは19世紀に建設されたレース学校の建物を活用して、伝統的なレースやその製作過程についての展示が行われています。訪れることで、ブラーノの文化と技術に触れることができる貴重な体験が得られます。

サン・マルティーノ教会の斜塔

ブラーノには、傾いた鐘塔として知られる「サン・マルティーノ教会」があります。この塔は15世紀に建設され、高さ31メートル、重量は1600トンにも及びます。しかし、粘土層の地盤と砂の層のため、その上位は垂直の位置に対して1.8メートル西にずれているという特異な存在です。過去には危険な状態だったため取り壊しが検討されたこともありましたが、1965年に地盤強化のための基礎工事が行われて以来、その傾斜の進行は止まったとされています。この塔は、イタリアの斜塔の中でも特に有名で、美術評論家の木島俊介はエッセイでその傾斜を「イタリア第一」と称賛しています。

交通アクセス

ブラーノへは、トルチェッロやトレポルティを結ぶ汽船の通常路線を利用することでアクセスが可能です。これにより、観光客は美しい景観を楽しみながら、便利に移動することができます。この島は、隣接するムラーノ島を経由することでも知られており、島々の文化や景色を楽しむ絶好の機会となるでしょう。

色とりどりの家々と伝統的なレース編みの風景が広がるブラーノは、ヴェネツィアの近くで放つ特別な魅力を持った地域です。その独特な文化と美しい観光地をぜひ訪れてみてください。

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