ブリザードパス

ブリザード・パス（Blizzard Pass）

『ブリザード・パス』は、ダンジョンズ&ドラゴンズ（D&D）のベーシック・セットで使用するためにデザインされたソロ・モジュールです。1983年にTSR社から出版され、冒険の舞台は文字通り、雪と氷に閉ざされた峠道となります。

概要

このモジュールは、レベル1～3のシーフ（盗賊）キャラクターを対象としたソロ冒険です。プレイヤーは、吹雪が吹き荒れるブリザード・パスを越え、その内部に存在する洞窟網に侵入し、囚われの身となっている他の冒険者たちを救出しなければなりません。また、レベル2～3のキャラクターで構成されたパーティ向けの、峠の探索をテーマとした短い冒険も収録されています。

特徴

『ブリザード・パス』の最大の特徴は、モジュールに隠された情報を読み解くための仕掛けが施されている点です。オリジナル版では、「不可視インク」と呼ばれる特殊なインクが使用されており、モジュールに付属する専用のペンで特定の箇所をこすることで、隠された文章が浮かび上がるという仕組みでした。この仕掛けは、プレイヤーに謎解きの要素を提供し、冒険をよりエキサイティングなものにしていました。

出版

『ブリザード・パス』は、デイヴィッド・クックによって執筆され、1983年にM1モジュールとして出版されました。32ページの小冊子と、不可視インクペンがセットになっており、カバーアートはティム・トルーマンが担当しました。1984年には、D&D10周年を記念したコレクターズ・セットにも収録されました。

1986年には、株式会社新和によって日本語版が出版されました。しかし、日本語版では不可視インクは使用されず、代わりに赤い網掛けで覆われた文章を、赤いセロファン（マジックスクリーン）を通して読むという方式が採用されました。この変更は、不可視インクの再現が困難であったためと考えられます。

評価

『ブリザード・パス』は、その斬新なアイデアと、ソロプレイに特化したゲームデザインで、一定の評価を得ました。しかし、不可視インク（またはマジックスクリーン）の仕掛けは、繰り返し使用するうちに飽きがくるという意見もありました。また、同時期に人気を博していたゲームブックと比較して、価格が高いという批判もありました。

関連情報

著作者: デイヴィッド・クック
オリジナル版発売: 1983年
日本語版発売: 1986年
モジュール番号: M1
* 対象レベル: 1-3 (シーフ), 2-3 (パーティ)

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