ブリストル ブルドッグ

ブルドッグ（Bristol Bulldog）

ブルドッグは、イギリスのブリストル社が開発した複葉戦闘機であり、イギリス空軍や他国で広く運用された名機です。この航空機は、第一次世界大戦と第二次世界大戦の間に就役した数少ないイギリス製の戦闘機の一つで、多くの国に輸出されました。

開発の経緯

ブルドッグの開発は、1926年にイギリス空軍から発表された単座戦闘機の要件に従って始まりました。初飛行は1927年5月に行われ、航空機としての特性は非常に優れていたものの、簡易な整備性が特に高く評価されました。このため、1928年からは量産が本格的に開始されました。

運用の実績

1930年代初頭、ブルドッグはイギリス空軍における主力戦闘機として数多くの部隊に配備されました。約440機が生産されましたが、1937年には新しい戦闘機であるハリケーンにその座を譲り、イギリス空軍からは退役しました。しかしながら、ブルドッグはオーストラリアやフィンランド、スウェーデン、ラトビアなど多くの国に輸出され、特にフィンランドでは代用戦闘機としてソ連軍と戦闘を行い、成果を上げることもありました。

また、日本の中島飛行機はブルドッグを2機購入し、新型艦上戦闘機の開発の参考資料として利用しました。さらに1930年には、開発が難航していたNC型戦闘機に代わって陸軍向けにブルドッグを国産化する計画も立てられました。この計画では、ブルドッグの設計を一部変更した「中島式ブルドッグ戦闘機」を試作しましたが、部品の強度不足や別の開発の進展により審査には至りませんでした。最終的に、残された試作機は海軍に献納されて研究機材として用いられました。

諸元

ブルドッグMk.IIIの主な技術仕様は以下の通りです。

• - 全長: 7.54 m
• - 全幅: 10.36 m
• - 全高: 2.66 m
• - 翼面積: 27.6 m²
• - 全備重量: 1,475 kg
• - エンジン: ブリストル ジュピターV2F 498hp（1基）
• - 最大速度: 300 km/h
• - 実用上限高度: 6,500 m

武装

• - ヴィッカース7.7mm機関銃 × 2
• - 9kg爆弾 × 4

現存する機体

ブルドッグはその歴史的な重要性から、現在も数機が保存されており、航空機ファンや歴史愛好者にとって興味深い存在です。

関連項目

ブルドッグに関連する他の戦闘機やイギリス空軍機のリストもありますので、興味がある方は是非そちらもご覧ください。

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