ブリス・クロテール・オリギ・ンゲマ

ブリス・クロテール・オリギ・ンゲマ：ガボンの軍人、政治家

ブリス・クロテール・オリギ・ンゲマは、ガボンの軍人、そして政治家として知られています。彼の足跡は、軍事的なキャリアと、その後の政治的な転身において、複雑な様相を呈しています。

生い立ちと軍歴

ンゲマは、ファン人の軍人である父と、テゲ人の母の間に生まれました。母方の実家があるオートオゴウェ州は、ボンゴ元大統領の地盤でもあります。彼はメクネス王立陸軍士官学校で軍事訓練を受け、その後、オマール・ボンゴ・オンディンバ大統領の副官という要職を務めました。また、ボンゴ・オンディンバとは親戚関係にあるとも言われています。

彼は海外での勤務経験も豊富で、モロッコやセネガルのガボン大使館で駐在武官を歴任しました。2018年10月には、ガボンに呼び戻され、共和国防衛隊の諜報機関である特別総局長に就任しました。さらに2019年には、ガボン軍防衛隊司令官に任命されるなど、着実にキャリアを積み重ねていきました。

疑惑とスキャンダル

しかし、ンゲマの経歴には、いくつかの疑惑も付きまといます。2020年の組織犯罪汚職報告プロジェクト(OCCRP)の調査では、彼が米国内に100万ドル以上相当の不動産を複数所有していることが明らかになりました。調査団からの質問に対し、ンゲマはこれを「個人的な事柄」と回答しています。また、彼がボンゴ家の海外事業の拡大に貢献していたのではないかという疑惑も浮上しています。過去には横領事件に関与していたことや、麻薬カルテルと関係がある大富豪であるという情報も存在します。

2023年クーデターと暫定大統領就任

2023年8月26日に行われた大統領選挙で、アリー・ボンゴ・オンディンバが3選を果たしましたが、その結果発表直後の8月30日、ンゲマはテレビを通じて権力を掌握したことを宣言しました。同年8月31日には暫定大統領に指名され、9月4日に正式に就任しました。このクーデターは、ガボンの政治に大きな転換をもたらし、ンゲマ自身も国のトップとして新たな道を歩み始めることになりました。

ブリス・クロテール・オリギ・ンゲマは、軍人、政治家として、ガボンの歴史に名を刻むこととなりました。彼の今後の動向は、ガボンだけでなく、国際社会からも注目されています。

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