ブリティッシュ・シー・パワー

シー・パワー（Sea Power）は、イングランド発祥のインディー・ロックバンドです。元々はブリティッシュ・シー・パワー（British Sea Power）というバンド名で活動していましたが、2021年8月9日に現在のシー・パワーへと改名しました。

改名の背景には、近年世界的に見られる敵対的なナショナリズムの高まりが影響しています。特定の国名をバンド名に含むことで、意図しない誤解を招く可能性を考慮した結果、より中立的なバンド名へと変更することを決断しました。

来歴

バンドの核となるのは、兄弟であるヤン・スコット・ウィルキンソンとニール・ハミルトン・ウィルキンソン、そして彼らの学友であったマシュー・ウッドです。彼らは学生時代から共にバンド活動を行い、音楽的な基盤を築きました。その後、ヤンがレディング大学に進学した際に、ギタリストのマーティン・ノーブルと出会い、彼をバンドに誘います。後にニールとウッドも合流し、現在のシー・パワーの原型が完成しました。

2001年7月、バンドは自主制作でシングル「フィア・オブ・ドラウニング」を発表し、音楽活動を本格化させます。同年9月、ブリティッシュ・シー・パワーのライブを観たラフ・トレード・レコードのオーナー、ジェフ・トラヴィスの目に留まり、同レーベルとの契約を獲得しました。

2002年秋にはキーボーディストのイーモン・ハミルトンが加入し、バンドの音楽性はさらに広がります。2003年6月2日には、デビューアルバム『ザ・ディクライン・オブ・ブリティッシュ・シー・パワー』をリリース。同年には日本でライブを行い、2004年にはフジロックフェスティバルに出演を果たしました。フジロックでは、1日目のグリーンステージのトップバッターという大役を務めました。

2005年4月4日には、2枚目のアルバム『オープン・シーズン』を発表。しかし、2006年にはイーモンが自身のバンド「ブレイクス」に専念するため脱退し、代わりにフィル・サムナーが加入しました。

2008年には、ツアーにサポートメンバーとして参加していたアビー・フライが正式メンバーとして加入。同年1月14日にリリースされた3枚目のアルバム『ドゥ・ユー・ライク・ロック・ミュージック?』は、全英アルバムチャートで10位を記録するヒットとなりました。2011年1月10日には、アルバム『ヴァルハラ・ダンスホール』を発売し、同年のフジロックフェスティバルに7年ぶりに出演しました。

2013年4月1日には、アルバム『マシンナリーズ・オブ・ジョイ』を発表。6月9日には、恵比寿ガーデンホールで開催されたイベント「Hostess Club Weekender」に出演し、日本のファンを魅了しました。

メンバー

ヤン・スコット・ウィルキンソン（Jan Scott Wilkinson）：ボーカル、ギター
ニール・ハミルトン・ウィルキンソン（Neil Hamilton Wilkinson）：ベース、ボーカル、ギター
マーティン・ノーブル（Martin Noble）：ギター、キーボード
マシュー・ウッド （Matthew Wood）：ドラムス
アビー・フライ（Abi Fry）：ヴィオラ、キーボード
フィル・サムナー（Phil Sumner）：キーボード、コルネット、ギター（※数学教師の肩書も持つ）

旧メンバー

イーモン・ハミルトン（Eamon Hamilton）：キーボード

ディスコグラフィ

スタジオ・アルバム

『ザ・ディクライン・オブ・ブリティッシュ・シー・パワー』（2003年）
『オープン・シーズン』（2005年）
『ドゥ・ユー・ライク・ロック・ミュージック?』（2008年）
『ヴァルハラ・ダンスホール』（2011年）
『マシンナリーズ・オブ・ジョイ』（2013年）
『シー・オブ・ブラス』（2015年）

サウンドトラック

『マン・オブ・アラン』（2009年）
『フロム・ザ・ランド・トゥ・ザ・シー・ビヨンド』（2013年）
『ハッピネス』（2014年)

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