ブリュッセル万国博覧会 (1958年)

1958年ブリュッセル万国博覧会

1958年のブリュッセル万国博覧会は、4月17日から9月19日までの間、ベルギーのブリュッセルで開催された国際的な博覧会であり、第二次世界大戦後初の大型国際博覧会として注目を集めました。この博覧会は、科学文明とヒューマニズムをテーマに掲げ、42の国と10の国際機関が一堂に会し、合計で4145万人の来場者を迎えました。

開催地はブリュッセルの都心から7km北西に位置するエゼル地区で、面積は2平方キロメートルに及びました。会場の建設には1万5千人の労働者が従事し、3年の歳月をかけて準備されました。そのシンボルとなったのが、鉄の結晶を模した巨大な構造物「アトミウム」です。このアトミウムは博覧会後も残り、今ではブリュッセルのアイコンとして多くの人に親しまれています。

エゼル地区は、1935年のブリュッセル万博の会場でもあったことから、歴史ある場所でもあります。当時のエゼルには、エゼル競技場や観光名所のミニチュアパーク「ミニ・ヨーロッパ」なども設置されています。

この博覧会は、現代建築と音楽が融合する貴重な場でもありました。特に注目されたのは、作曲家エドガー・ヴァレーズの電子音楽「ポエム・エレクトロニク」です。この作品は、著名な建築家ル・コルビュジエのもとで学んだヤニス・クセナキスが設計したフィリップス館に設置された425台のスピーカーから流れ、会場の雰囲気を一新しました。

日本館

日本館は著名な建築家前川國男が設計を担当し、視覚デザインには山城隆一、展示デザインには剣持勇、写真撮影には渡辺義雄、さらには場内音楽の作曲・編曲を外山雄三が行ないました。この日本館のテーマは「日本の手と機械」であり、戦後復興を背景にした陶器などの伝統工芸品とともに、成長著しい機械産業や電子機器産業の製品が展示されました。

この日本館は閉幕後、金賞を受賞するなど高い評価を受け、出展された51点の展示品も新KS鋼を使用した電子顕微鏡を含むものとして表彰されました。その結果、日本の技術力と文化が国際的に認識される大きな足がかりとなりました。

関連項目

• - 国際博覧会
• - ジュール・ビュイッサンス

博覧会の詳細情報や関連リンクについては、公式のBIEやExpoMuseumのウェブページにアクセスすることで確認できます。

もう一度検索