ブルキニ

ブルキニとは

ブルキニ（burkini）は、イスラム教徒の女性向けにデザインされた水着の一種で、名称は「ビキニ」と「ブルカ」を組み合わせた造語です。このユニークな水着は、レバノン系オーストラリア人デザイナーのアヘダ・ザネッティ（Aheda Zanetti）が2004年に考案し、商標登録を取得したことで広まりました。

デザインと特徴

ブルキニの最大の特徴は、イスラームの戒律に則ったデザインにあります。具体的には、手足の先と顔以外を覆う形状で、体に密着しないデザインが採用されています。このようにすることで、イスラム教の規範を尊重しつつ、女性が水中で快適に過ごせる工夫がなされています。

ムフティーの見解

オーストラリアにおけるイスラーム指導者であるシェイク・タージ・アルディン・アル・ヒアリ（Sheik Taj Aldin al-Hilali）は、ブルキニの着用がイスラーム法において合法であるとの見解を示しました。この宗教的見解（ファトワー）は、ブルキニを身に着けることに対する安心感を、イスラームの女性たちに提供しました。

世界的な人気

ザネッティのブルキニは、販売が開始されてから2008年までの間に約70万着を売り上げるという成果を収め、世界中のイスラム教徒の女性たちに広まっています。ただし、ヨーロッパのいくつかの国では、公共の場での着用に対する反発が強まり、女性たちがブルキニを着ていることが問題視されているケースも珍しくありません。特にフランスでは、社会問題として取り上げられる事例が続いています。

フランスにおける規制

2016年、フランスの国務院は、ブルキニの着用を禁止することが「基本的自由を侵害する深刻かつ明白な違法行為」と評価しました。しかし、2022年時点でフランスの多くの地方自治体では、公共プールにおけるブルキニの着用が禁止されており、主に衛生上の理由を挙げています。宗教的な背景について言及されることは少なく、ここでも新たな問題が提起されています。

ブルキニの新たな利用者

ザネッティのブルキニは、イスラム教徒女性専用の水着ではありません。実際、日焼け防止を目的に着用する人や、皮膚がんの元患者が安全のために選ぶケースも増えてきました。これにより、ブルキニはより幅広い層の女性に支持され、一般の水着市場でも一つの重要な存在となっています。

まとめ

ブルキニは、デザイナーのアイデアから生まれた、イスラム女性のための水着として多くの注目を集めていますが、一方で公共の場での着用を巡る議論が続いています。文化や宗教の背景を考慮しながら、個々の自由を尊重することが求められる今、ブルキニはその象徴的な存在として位置づけられることになっています。

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