ブルムベア

ブルムベア (Sturmpanzer IV)

ブルムベアは、第二次世界大戦中のドイツ軍が開発した自走砲で、制式名称はIV号突撃戦車（Sturmpanzer IV）であり、制式番号はSd.Kfz.166である。この車両はIV号戦車のシャーシを基にして設計され、主に歩兵部隊への火力支援を目的としていた。

1. 開発の背景

ブルムベアの開発は、ドイツ軍が歩兵部隊の効果的な支援手段を求め、自走砲としての新たな要求に応じた結果である。それ以前、同様の自走砲にはI号やII号戦車を基にしたものがあったが、装甲が脆弱で操作性にも問題があり、火力不足も否めなかった。そこで、より強固な装甲と優れた火力を備えた新しい車両の開発が必要とされた。

1941年末から1942年初めにかけて、ドイツ軍はIII号戦車のシャーシに15cm歩兵砲sIG33を搭載した「33B型III号突撃歩兵砲」を製造し、これがブルムベアの前身となった。その後、アルケット社がメインの設計・生産を手掛けることとなり、IV号戦車を基にしたより本格的な自走砲の設計に至った。

2. 製造と仕様

ブルムベアの製造は1943年の初めから始まり、累計306輌が生産された。この車両は特に市街地戦での火力支援を意図して設計されており、15cm43式突撃榴弾砲を搭載し、優れた直接火力を持っていた。さらに、前面装甲は最大で100mmの厚さがあり、防御力も強化されていた。

ブルムベアは基本的にIV号戦車の車体を流用しているが、砲塔を持たないデザインが特徴であり、そのため装甲面でも強化が図られた。初期型から中期型、後期型にかけての変更点としては、主に前面装甲の厚みやハッチの設計が挙げられる。特に後期型では、水平部分と傾斜部分が組み合わさった天井構造が採用され、部隊の運用しやすさも向上した。

3. 戦歴と運用

ブルムベアは、ノルマンディー上陸作戦やクルスクの戦いといった重要な戦役に参加した。特に初期型は1943年春に東部戦線で活躍し、後に他の戦線へも展開された。その後の運用において、優れた火力をもって敵の攻撃を抑える役割を果たした。

しかし、戦局が悪化する中でブルムベアの喪失が相次ぎ、運用部隊はさまざまな改編を強いられた。1944年末までには、連合軍との戦闘において多くのブリュムベアが損失を被り、最終的にはさまざまな部隊に再編成され、終戦を迎えた。

4. 通称と呼称の意義

「ブルムベア」という名称は戦後、連合軍が捕獲した車両を調査する過程で命名されたものであり、当時のドイツ軍内部ではこの名称は使用されなかった。実際には「Stupa」という通称が一般的であった。

5. 結論

ブルムベアは、第二次世界大戦の激しい戦闘において重要な役割を果たした自走砲であり、そのデザインや戦歴は今なお多くの研究や模型作成の対象とされている。高い火力支援能力により、特に市街戦での価値が高かったことが評価されている。

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