ブルース・ハースト

ブルース・ヴィー・ハースト（Bruce Vee Hurst）

ブルース・ヴィー・ハーストは、1958年3月24日にアメリカ・ユタ州セントジョージで生まれたプロ野球選手であり、特にメジャーリーグの投手として知られています。左投左打の選手で、卓越したコントロールと多彩な変化球を駆使して活躍しました。

経歴と成績

ハーストは1980年4月12日にボストン・レッドソックスでメジャーデビューを果たします。1983年には先発ローテーションに定着し、12勝を上げるなど、早くからその実力を発揮しました。レッドソックスの本拠地であるフェンウェイ・パークは左翼が狭いため左投手には厳しい環境ですが、ハーストはそれにもかかわらず誰もが驚く成績を残します。1986年から1988年の期間には46勝27敗をマークし、特に1986年には13勝8敗、防御率2.99という成績でチームのワールドシリーズ出場に大きく貢献しました。

ワールドシリーズではニューヨーク・メッツとの対戦においてエースとして先発し、第1戦と第5戦で勝利を収めます。第5戦での勝利後、レッドソックスが勝てばシリーズMVPの選出も期待されましたが、第6戦でメッツが勝利、そして第7戦でハーストが先発します。優位に試合を進めるも、6回に同点に追いつかれ降板。結局、メッツが逆転勝利を収め、レッドソックスにとって68年ぶりのワールドチャンピオンの夢は破れました。

1987年にはキャリア唯一のオールスター出場を果たし、その年も15勝を挙げました。1998年には自己最多の18勝、この年のオフにはフリーエージェントとなり、サンディエゴ・パドレスに移籍します。新たなチームでも成功を収め、1989年と1991年にはそれぞれ15勝を記録。ただし、1992年には肩の故障に悩まされ、その影響で成績が振るわなくなります。1993年には拡張されたコロラド・ロッキーズに移籍し、翌年1994年にテキサス・レンジャーズに移籍した後、6月18日の登板を最後に現役を引退しました。

公式戦での成績は素晴らしいものであり、ポストシーズンでも7試合に登板し、3勝2敗、防御率2.29を記録しました。

受賞歴と記録

ハーストは1987年のオールスターに1回出場しています。また、1986年のワールドシリーズに敗れた際には、「バンビーノの呪い」に関連付けて「BRUCE HURST」のスペルを「B RUTH CURSE」とするプラカードが掲示されるなど、話題を呼びました。

コーチングと引退後

2006年には、第1回ワールド・ベースボール・クラシックにおいて、中国ナショナルチームの投手コーチとして活動しました。選手としての華やかなキャリアの後も、指導者として新たな道を歩んでいます。

このように、ブルース・ヴィー・ハーストはメジャーリーグの名投手としてだけではなく、いまだに多くのファンに愛される選手の一人となっています。

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