ブルーノート・カフェ

アルバム『ブルーノート・カフェ』の詳細

『ブルーノート・カフェ』は、2015年11月13日にリプリーズ・レコードから発表された、カナダとアメリカのシンガーソングライター、ニール・ヤングのライブアルバムです。この作品は、ヤングの「アーカイヴス・パフォーマンス・シリーズ」の第11巻に位置づけられており、彼が17枚目のスタジオアルバム『ディス・ノーツ・フォー・ユー』をレコーディングした際の演奏を収録したものです。主に1987年から1988年にかけてのアメリカツアーからの録音が中心で、アルバムのジャケットには、ヤングが育ったウィニペグにある古いブルーノート・カフェの外観が描かれています。

内容と未発表曲

本アルバムには、「This Note's for You」のライブバージョンを除いて、未発表の多くの楽曲が含まれています。特に「Welcome to the Big Room」、「Bad News Comes to Town」、「Crime of the Heart」、「Doghouse」といった曲は、ヤングの公式なリリースでは初めての収録となります（「Doghouse」は、彼の元妻ペギが2011年にアルバム『Bracing for Impact』でカバーしています）。さらに、「This Note's for You」と「Ain't It the Truth」は、以前はゲフィン・レコードのコンピレーションアルバム『ラッキー・サーティーン』に収録されていたこともあります。

ヤングがツアー中に披露したこれらの曲のいくつかは、彼が10代の頃にバンドの一員として作り上げたものです。回顧録『ニール・ヤング自伝（Waging Heavy Peace）』では、彼がジミー・リードの影響を受けた楽曲についての感想を述べています。最初は、ツアー終了後すぐに未発表曲を収めた2枚組のライブアルバムを準備していましたが、最終的には別のプロジェクトが優先されたため、このアルバムは未発売となっていました。『ブルーノート・カフェ』のリリースは、前年に亡くなったベーシスト、リック・ローザスへの追悼と見なされています。

評価と評価者の声

『ブルーノート・カフェ』は、リリース後に好意的な評価を受け、メタクリティックでのスコアは75点を記録しています。ポップマターズのクリス・ジェラードは、10点満点中9点をつけ、「この作品はヤングの真骨頂であり、1980年代の彼の楽曲には、期待を超える価値があることを証明している」と評価しました。一方で、Exclaim!のダニエル・シルヴェスターは厳しい見解を示し、「熱烈なファンでさえ、これはマゾヒスティックな好奇心を満たすものに過ぎない」とコメントしています。また、『ローリング・ストーン』誌のウィル・エルメスは3つ星で、「1980年代後半のライブ録音は、ヤングにとって一時的でありながらも興味深い時期を浮き彫りにしている」と述べました。『アメリカン・ソングライター』誌のハル・ホロウィッツは4つ星半の評価を付け、「彼の作品の中で、このアルバムが持つ意義を理解するには熱心なファンでさえ難しいかもしれないが、ライブの活力あるコンピレーションは彼のキャリアにおける重要な一時であることを伝えている」と評価しました。

収録曲のリスト

アルバムには、ディスク1、ディスク2に分かれた多くの楽曲が収録されています。ディスク1には「Welcome to the Big Room」や「Don't Take Your Love Away From Me」、「This Note's for You」などの曲があり、ディスク2には「I'm Goin'」や「Ordinary People」、「Crime in the City」などが含まれています。

ツアーメンバーおよび制作スタッフ

このライブアルバムには、ニール・ヤングをはじめ、トランペットやサクソフォーン、ドラムなどを担当する数々のミュージシャンが参加しています。制作はニコ・ボーラスが手がけ、アートディレクションやデザインも専門のスタッフによって行われました。これらの要素が一つとなり、アルバムはヤングの多様な音楽性を見事に表現しています。

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