ブルーリボン賞 (船舶)

ブルーリボン賞とは

ブルーリボン賞（Blue Riband）は、大西洋を最も速く横断した船舶に与えられる賞であり、大西洋最速横断記録として知られています。

概要

蒸気船による最初の大西洋横断は1833年に行われました。ブルーリボン賞は、最速船の所有を広報する目的で、1830年代に複数の大西洋横断航路運航会社によって設立されました。賞には東回りと西回りの2種類があります。当初、ブルーリボン賞を受賞した船舶は、その栄誉の証として細長いブルーのリボンをトップマストに掲げることができました。

1930年代は「スピードの時代」と呼ばれ、ブルーリボン賞は各国の威信をかけた競争の場となりました。各国は国の資金や技術協力を得て、記録更新に挑みました。ブルーリボンを獲得することは、受賞した国や船舶会社にとっての栄誉であるだけでなく、それに乗船する船客にとってもステータスとなりました。1935年には、イギリスの政治家でありヘイルス・ブラザーズ社のオーナーでもあったハロルド・ケーテス・ヘイルス卿が自費でトロフィー（ヘールズ・トロフィー）を製作しました。以降、記録の3ヶ月保持などを条件に、受賞した船にはトロフィーが贈られるようになりました。

ブルーリボン賞は、横断航海の平均速力に基づいて決定されます。これは、大西洋横断の距離が航路によって異なるためです。基本的には、西側の終着点はカナダやアメリカ東海岸の各港、東側の終着点はアイルランド、イギリス、西ヨーロッパのいずれかの港となります。しかし、伝統的に大西洋横断の記録はニューヨークを出発または目的地とする航海によって評価される傾向があります。

現在の保持船舶

現在、伝統あるブルーリボン賞はキャットリンク5が保持しています。しかし、関係者の中にはキャットリンク5、カタロニア、ホバースピード・グレートブリテンを汽船ではない、大西洋で定期運航されていないなどの理由から受賞を認めない人々もいます（もっとも、そのようなルールは存在しません）。また、ユナイテッド・ステーツが試験運転で40ノット以上を記録したという情報もあり、ユナイテッド・ステーツこそが真の保持船舶であるという意見も存在します。

関連項目

* シュナイダー・トロフィー・レース：1913年から1931年まで開催された水上機のスピードレース。

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