ブレイクもの!

1998年1月8日から9月22日まで、フジテレビ系列で放送された深夜バラエティ番組『ブレイクもの!』。当時絶大な人気を誇っていた『ボキャブラ天国』出身の若手芸人を中心に構成され、毎週3組の芸人が持ちネタを披露する、公開収録形式の番組でした。

番組は、新宿にあるスタジオアルタを拠点に、熱気あふれる雰囲気の中で行われていました。番組初期には、プロの芸人を目指す将来有望な素人芸人を発掘するコーナーも存在し、視聴者参加型の要素も取り入れていました。

番組の大きな特徴の一つとして、「お笑い世紀末スターオークション!」というコーナーが挙げられます。これは、当時まだ世に出る前の無名芸人たちが、1～2分の持ちネタを披露し、会場の観客の投票によって勝ち上がりを決めるゴングショー形式のコーナーでした。5週連続で勝ち抜いた芸人には、番組内で本ネタを披露できる権利が与えられ、まさに無名芸人にとっての登竜門として機能していました。

このコーナーには、後に大ブレイクを果たすおぎやはぎや北陽、永野、そして『進ぬ!電波少年』で人気を博す前のカラテカなど、数々の有名芸人が出演していました。MCを務めていた桑野信義は、カラテカの矢部太郎を「米」、入江慎也を「麦」と表現するなど、個性的なコメントでも番組を盛り上げていました。なお、5週勝ち抜いたカラテカでしたが、入江慎也の病気による入院により、残念ながら本ネタの披露は叶いませんでした。オークション形式だったため、ネタ披露後には司会者が「お買い上げの方は…」と呼びかける演出も印象的でした。

司会は田代まさしが務め、アシスタントには千秋、椎名法子、高原あきらと、華やかな女性タレントが起用されました。桑野信義は「お笑い世紀末スターオークション!」を中心にMCを担当し、番組を進行しました。

出演芸人は、ボキャブラ天国出身者を中心に、アンジャッシュ、アンタッチャブル、爆笑問題、ネプチューンなど、現在も第一線で活躍する芸人から、当時ブレイク寸前だった若手芸人まで、幅広い層が参加していました。

番組には、レギュラー出演者以外にも、多くの芸人が単発出演や予選参加という形で参加していました。アメリカザリガニ、江戸むらさき、プラスドライバーなど、バラエティ豊かな芸人たちが『ブレイクもの!』の舞台を彩りました。

吉本興業所属の芸人たちも多数出演しており、千原兄弟、メッセンジャーなど、当時から人気を集めていた芸人たちが番組を盛り上げていました。その他にも、様々なジャンルの芸人が出演し、番組全体に独特の賑やかさを生み出していました。

「お笑い世紀末スターオークション!」で5週勝ち抜いた芸人の中には、後に有名になったカラテカ、ぴんぽんず、代田ひかるなどが含まれており、このコーナーが多くの芸人のキャリアに大きな影響を与えたことが分かります。

『ブレイクもの!』は、短期間ながらも多くの視聴者に愛された、伝説的な深夜バラエティ番組でした。番組で培われた経験や人脈は、出演者たちの後の活躍に大きく貢献したと言えるでしょう。番組スタッフの努力と、個性豊かな出演者たちの熱演によって、多くの視聴者にとって忘れられない番組となりました。番組が終了してから年月が経ちましたが、その存在は、多くの人の記憶にしっかりと刻まれています。

もう一度検索