ブレス・ザ・チャイルド

『ブレス・ザ・チャイルド』（2000年）は、キャシー・キャッシュ・スペルマンの小説を原作とするアメリカ合衆国のホラー映画です。看護師のマギーは、行方不明になった妹ジェナの娘、自閉症のコーディを育てています。6歳になったコーディが通う学校に、ジェナと夫のエリックが現れ、コーディをさらってしまいます。

FBI捜査官のジョン・トラヴィスは、コーディの誕生日と過去に行方不明になった子供たちの誕生日が一致することに気づきます。さらに、コーディには超常的な力、例えば、触れずに物を動かす、死んだ鳥を生き返らせるといった能力があることが判明します。

マギーは、コーディを取り戻すため奔走します。調査を進める中で、エリックが「新生会」と呼ばれるカルト教団の教祖であり、1993年12月16日生まれの子供を探していることを知ります。これは、ベツレヘムの星が戻ってきてから2000年経つという日です。

マギーは、新生会から脱退しようとしていたシェリーと接触します。シェリーは、新生会がサタンを崇拝しており、コーディを邪悪な儀式に利用しようとしていることをマギーに告げますが、その後、教団によって殺されてしまいます。

マギーとトラヴィスは、儀式が行われている現場に急行します。儀式が行われている最中、会場は炎上し、トラヴィスはエリックを射殺します。マギーもコーディをかばって射殺されますが、コーディの力によって生き返ります。

この映画は、キム・ベイシンガー、アンジェラ・ベッティス、ルーファス・シーウェル、ジミー・スミッツ、クリスティーナ・リッチらが出演しています。Rotten Tomatoesでの評価は3%と酷評されており、公開週のワースト映画ランキングでも上位にランクインしました。映画評論家のブルース・カークランドは、新生会のロゴがサイエントロジーのレトリックやシンボルに似ていると指摘しています。

映画全体を通して、緊迫感と恐怖が漂う演出がなされています。自閉症の子供に宿る超常的な力、そしてそれを利用しようとするカルト教団の恐ろしい目的。これらの要素が絡み合い、観客に強い衝撃を与えます。マギーの妹の失踪、コーディの超能力、新生会の儀式、そして衝撃的な結末まで、物語はスリリングに展開していきます。

特に、新生会の儀式における描写は、映画全体を通して最も緊張感の高まるシーンの一つとなっています。暗く、不気味な雰囲気の中で行われる儀式は、観る者の心を深く揺さぶるでしょう。また、コーディの超能力も、物語にミステリアスな要素を加え、観客の想像力を掻き立てます。

しかし、映画は興行的には成功しませんでした。批評家からの評価も低く、様々な点で批判の的となりました。しかし、その独特の雰囲気や、衝撃的なラストシーンは、多くの観客の記憶に刻まれたと言えるでしょう。この映画は、ホラー映画としてだけでなく、カルト教団や超常現象といったテーマを通して、人間の深層心理や社会問題にも触れていると言えるかもしれません。低評価ながらも、独特の雰囲気を持つ作品として、ホラー映画ファンには見逃せない作品と言えるでしょう。

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