ブレンダン・ドネリー

ブレンダン・ドネリー：苦難を乗り越えた中継ぎ右腕

ブレンダン・ケビン・ドネリー（Brendan Kevin Donnelly, 1971年7月4日 - ）は、アメリカ合衆国ワシントンD.C.出身の元プロ野球選手。右投右打の投手として活躍しました。

プロ入りと苦難の時代

1971年にワシントンD.C.で生まれたドネリーは、幼少期にニューメキシコ州アルバカーキへ移住。1992年のMLBドラフトでシカゴ・ホワイトソックスから27巡目で指名されプロ入りを果たします。しかし、メジャー昇格の機会にはなかなか恵まれず、マイナーリーグや独立リーグでのプレーが長く続きました。

1995年には、MLBのストライキに対抗するためオーナー側が「代替選手」を起用。ドネリーもその一人としてオープン戦に登板した過去から、現在も選手会への入会を拒否されています。

エンゼルスでの躍進とオールスター選出

数球団を渡り歩いた後、2001年1月にアナハイム・エンゼルスと契約。2002年に念願のメジャーデビューを飾ると、46試合に登板して防御率2.17と好成績を記録し、チームのワールドシリーズ制覇に大きく貢献しました。

翌2003年には、ホールド数でリーグ1位となり、監督推薦でオールスターゲームにも出場。中継ぎ投手として確固たる地位を築き上げました。

グラブへの不正疑惑と出場停止

2005年6月、ワシントン・ナショナルズ戦で、ホセ・ギーエンがドネリーのグラブに不正な物質が塗られている疑いを指摘。主審の調査により松脂が発見され、ドネリーは10試合の出場停止処分を受けました。この背景には、ギーエンが過去にエンゼルスの監督と対立した際、ドネリーが監督を支持したことへの恨みがあったとされています。

レッドソックスへの移籍とトミー・ジョン手術

2006年12月、トレードでボストン・レッドソックスへ移籍。2007年はシーズン途中まで中継ぎとして活躍しましたが、右肘を故障し、トミー・ジョン手術を受けることとなりました。その後、クリーブランド・インディアンスとマイナー契約を結び、2008年8月8日にメジャー復帰を果たします。

その後

2009年5月、ヒューストン・アストロズとマイナー契約。同年7月5日にはフロリダ・マーリンズとメジャー契約を結びました。

2011年3月6日、現役引退を表明。

薬物疑惑

2007年12月に発表されたミッチェル報告書によると、ドネリーは2004年にアナボリックステロイドの購入を検討していたとされています。しかし、ドネリーは声明の中で、回復を早める目的でハイテクアナバーを検討したものの、ステロイドに分類されると知り使用を断念したと反論しています。また、ラドムスキーからは薬物を購入・使用していないと主張しています。

ブレンダン・ドネリーは、決してエリート街道を歩んだ選手ではありませんでしたが、不屈の精神で様々な困難を乗り越え、メジャーリーグで確かな足跡を残しました。彼の野球人生は、多くの人々に勇気と希望を与えてくれるでしょう。

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