ブロチゾラム

ブロチゾラム (Brotizolam)

ブロチゾラムは、チエノトリアゾロジアゼピン系に属する短時間作用型の睡眠導入剤で、主に不眠症の治療に使用されます。商品名としては「レンドルミン」が広く知られていますが、他にもいくつかの製品が存在します。特に日本では1988年から発売されており、その後2002年には口腔内崩壊錠型のレンドルミンD錠も市場に登場しました。

化学的特性

ブロチゾラムは、酢酸やジクロロメタンには溶解しやすいものの、水やジエチルエーテルには溶けにくい特性を持っています。この性質から、薬剤の調製や投与方法に注意が必要です。

歴史

ブロチゾラムは1976年に武田薬品工業のチームによって開発され、その後1985年にドイツでレンドルミンとして販売が開始されました。現在では、世界の約20カ国で使用されているものの、イギリス、アメリカ、カナダでは過去に販売されたことがなく、安全性に対する懸念が原因とされる情報はありません。日本では特に人気があり、様々な形態で利用されています。

商品形態

ブロチゾラムは、錠剤として0.25mgの製品が主に流通しており、口腔内崩壊錠も同様の成分量で販売されています。レンドルミンが先発品であり、後発医薬品としては「グッドミン」や「ゼストロミン」が過去にあったものの、現在は一般名での販売が主流となっています。そして日本ジェネリックや長生堂製薬、テバ製薬などが製造するバリエーションも存在します。

使用用途

適応症としては、不眠症の治療や麻酔前投与薬としての利用がありますが、高齢者には慎重な投与が求められています。これは副作用や残眠感、めまいなどのリスクを軽減するためです。

副作用

使用に伴って現れる副作用には、眠気やふらつき、頭痛、倦怠感などがあります。これらの症状により、日常生活に影響を及ぼす可能性があるため、服用には注意が必要です。

依存性と乱用のリスク

ブロチゾラムには依存性のリスクがあり、連続使用することで依存症が発生することがあります。厚生労働省はこの点を重視し、使用量や期間に関する注意喚起を行っています。急激な減量による離脱症状も見られるため、徐々に減量することが推奨されています。特に薬物乱用の観点からも警戒が必要で、過去には香港でのベンゾジアゼピンの乱用が問題視されたなどした経緯があります。

原則禁忌

特に気をつけるべき患者群には、呼吸機能が著しく低下している場合や急性狭隅角緑内障を有する人々が含まれます。これらの患者には原則として投与を避けるべきですが、どうしても必要な場合は非常に慎重に投与を行わなければなりません。

結論

ブロチゾラムは有用な睡眠導入剤である一方で、その使用には多くの注意事項があります。使用を希望する場合は、必ず医師の指導のもとで適正に使用することが求められます。長期的な使用が及ぼす影響や依存性についても十分に理解した上で、健康的な睡眠環境を整えることが重要です。

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