ブロックビル

ブロックビル：サウザンドアイランズの歴史都市

カナダ東部オンタリオ州、リーズ・グレンビル連合郡に位置するブロックビル市は、セントローレンス川沿いのサウザンドアイランズに抱かれた歴史都市として知られています。キングストンとオタワの中間に位置し、オンタリオ州でも有数の歴史を誇る古都でもあります。

王党派の移住と町の成立

ブロックビルの歴史は、アメリカ独立戦争（1776年～1783年）に遡ります。イギリス国王ジョージ3世への忠誠を貫いた王党派が、アメリカ独立後の報復を逃れるため、この地に移住してきたのが始まりです。1784年から、彼らはセントローレンス川北岸の入江を天然の休息地として利用しながら、新たな生活を築き始めました。

この地は、18世紀にフランス人探検家によって名付けられたセントローレンス川流域にあり、当初は「エリザベスタウン」と呼ばれていました。しかし、1812年～1814年の米英戦争後、アッパーカナダの防衛に貢献したイギリス軍総督アイザック・ブロックにちなんで、「ブロックビル」と改名されました。

1830年には人口1,000人を超え、1832年1月28日には、トロントに先んじてオンタリオ州で最初に自治権を持つ町として組織されました。この時代から、ブロックビルは地域の中心地として発展し、造船、皮革製品、ブリキ、鋳造、醸造、ホテル業などが盛んになり、経済的な繁栄を築きました。

交通網の発達と産業の成長

1855年には、モントリオールとトロントを結ぶグランド・トランク鉄道が開通。ブロックビルは中継地点として選定され、交通の要衝となりました。また、同時期に建設されたブロックビル&オタワ鉄道は、オタワ渓谷からセントローレンス川へと木材を輸送する役割を果たし、経済の更なる発展を促しました。この鉄道建設には、カナダで最初に建造された鉄道トンネルが含まれ、現在も観光名所として公開されています。

1962年には、市制へと移行。独自の紋章が入った市旗を持つ、カナダでも珍しい都市の一つとなっています。

現代のブロックビル

現在、ブロックビルにはカナム（扇風機）、シェル・カナダ（石油プラント）、インビスタ・カナダ（化学製品）といった大企業が進出しており、安定した経済基盤を築いています。交通面では、ブロックビル空港に加え、オタワ国際空港へのアクセスも良好です。VIA鉄道も通っており、市内にはブロックビル・トランジットの路線が整備されています。

歴史と自然、そして現代産業が調和したブロックビル市は、カナダ東部の魅力的な観光都市として、これからも発展を続けるでしょう。

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