ブロニスワフ・コモロフスキ

ブロニスワフ・コモロフスキ：ポーランドの政治家、元大統領

ブロニスワフ・マリア・コモロフスキ（Bronisław Maria Komorowski、1952年6月4日 - ）は、ポーランドの政治家であり、第3共和政第5代大統領を務めた人物です。元国防相（第3共和政第10代）でもあり、2005年から2007年までセイム（ポーランド下院）副議長、2007年11月5日から2010年7月8日までセイム議長を務めました。

生い立ちと青年時代

コモロフスキは、ドルヌィ・シロンスク県のオボルニキ・シロンスキェで、コルチャック紋章を持つ貴族の家系に生まれました。コモロフスキ家は、シュラフタ（ポーランド貴族）の伝統ある名家で、政治家や軍司令官を輩出してきました。父はジグムント・レオン・コモロフスキ伯爵、母はヤドヴィガ（旧姓シャルコフスカ）です。

一家は1957年から1959年にかけてオトフォツク市近郊のユゼフフに居住し、その後プルシュクフ、ワルシャワへと移り住みました。コモロフスキはワルシャワ市第24高等学校を卒業後、ワルシャワ大学文学部歴史学科に進学し、1977年に卒業しました。

青年時代には、ボーイスカウト活動に熱心に取り組み、第208ワルシャワ・スカウトチームの教官を務めました。そこで知り合ったアンナ・デンボフスカと後に結婚しています。

反体制活動

ポーランド人民共和国（PRL）時代には、反体制の民主化運動に参加し、反体制派の月刊機関誌『声』の編集に携わりました。1979年には街頭デモに参加し、逮捕・投獄されました。1980年から1981年にかけては、独立自主管理労働組合「連帯」の社会研究所で働き、戒厳令時代には再び禁固刑を受けました。1989年までニェポカラヌフの幼年学校で教鞭をとっています。

ポーランド第三共和国での活動

1989年から1990年にかけて国務大臣事務所に所属し、その後、防衛副大臣を務めました。1990年代前半には民主連合（UD）、自由連合（UW）に所属し、それぞれの党で書記長を務めました。1997年には保守党（KKL）を結成し、その後、保守人民党（SKL）を経て、連帯選挙行動（AWS）に合流、書記長・副党首を務めました。

1997年の下院選挙で初当選し、下院防衛委員長、国防相などを歴任。2001年には市民プラットフォーム（PO）の結成に関わり、同党に所属して下院議員を4期務めました。2005年には下院副議長に、2007年には下院議長に就任しました。

下院議長と高い国民人気

2007年11月5日に下院議長に選出され、その高い国民人気から「ブロネック（Bronek）」という愛称で親しまれていました。インターネットの活用にも積極的で、自身のウェブサイトやTwitterを通じて有権者との対話を重視していました。

大統領時代

2010年3月、市民プラットフォームの予備選挙で大統領候補に選出されました。同年4月10日にレフ・カチンスキ大統領が飛行機事故で死去したことを受け、大統領代行に就任、同年6月20日に行われた大統領選挙で当選、第5代大統領に就任しました。

大統領在任中は、2015年2月には日本を訪問し、安倍晋三首相と会談しました。

2015年の大統領選挙ではアンジェイ・ドゥダに敗れ、8月6日に大統領を退任しました。

その他

コモロフスキは、2010年5月27日には次期ポーランド国立銀行総裁にマレック・ベルカを指名することをTwitterで発表し、その後正式発表するという異例の行動をとりました。

家族は、1977年に結婚したアンナ・デンボフスカとの間に、2男3女をもうけています。

参照

ブロニスワフ・コモロフスキ公式サイト (ポーランド語)
ポーランド下院公式サイト (英語)
市民プラットフォーム公式サイト (ポーランド語)
Wprost 24 (ポーランド語)

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