ブローム・ウント・フォス

ブローム・ウント・フォス（Blohm + Voss）

ブローム・ウント・フォスは、1877年4月5日にヘルマン・ブロームとエルンスト・フォスによって設立されたドイツの造船・造機会社です。最初の造船所は、自由ハンザ都市のハンブルク付近にあるクーヴェルダー島に建設され、広大な敷地と3つの船台を持ちました。会社の象徴であるロゴは、角が丸められたダークブルーの四角形に白文字で「Blohm + Voss」と記されたシンプルなデザインです。

会社の歴史と発展

設立以来、ブローム・ウント・フォスは125年以上にわたり、数多くの船舶や重機の製造に携わってきました。特に、第二次世界大戦中は連合国軍の攻撃により施設がほぼ全壊しましたが、戦後には再建が進み、現在もドイツ海軍向けや海外向けに軍艦や民間の石油採掘装置などを手がけています。

1930年代から1945年までの期間には、ルフトハンザ航空やドイツ空軍向けに航空機の設計・製造も行い、特異な飛行艇や左右非対称の航空機などが知られています。航空部門は最初、「ハンブルガー航空機製造」として知られ、後に「BV」として改名されました。

戦争と社会的課題

1944年から1945年の間、ブローム・ウント・フォスはハンブルクの造船所に強制収容所を設け、囚人を収容していました。この「ブローム・ウント・フォス収容所」は、ノイエンガンメ強制収容所に属していました。戦後、モーゲンソー・プランの下で、さらに施設の解体が進められましたが、1955年までは会社名は「Blohm & Voss」と記されていました。現在はティッセンクルップ・マリーン・システムズの子会社として運営されています。

建造した著名な船舶

ブローム・ウント・フォスが設計した著名な船舶には、多種多様なものがあります。例えば、大型帆船においては、フライングPライナーの「ペツィリ」「パミール」「パサート」などが挙げられます。客船としては、1911年竣工の「カップ・フィニステレ」、1922年竣工の「マジェスティック」、1930年代の「オイローパ」などがあります。また軍艦については、第一次大戦中の「ドレスデン」や第二次大戦の「ビスマルク」など有名な艦艇が多数存在します。

さらに、現代の海軍向けには、MEKO型フリゲートなど多くの軍艦を建造し、国際的な取引先のニーズにも応えています。これらの艦船は、各国の海軍運用に大きく寄与しています。

航空機製造の歴史と計画

1933年から1945年までの間、同社は航空機の製造も手がけていました。この時期に設計された主要な航空機には、「BV 40」や「BV 222 ヴィーキング」などがあり、特に「BV 141」はその左右非対称の独特な形状で知られています。戦争末期にはいくつかの計画が進行するも実現には至らず、その後は航空機製造を一時休止しました。最終的には、1960年代に持ち直し、後にエアバスの一部門へと発展しました。

今日、ブローム・ウント・フォスはその豊富な歴史と技術力を背景に、造船業界において重要な地位を占めています。

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