ブールバール

ブールバールとは

ブールバール（仏: Boulevard）は、広々とした道路で、街路樹や歩行者、自転車のための側道が整備されているのが特徴です。この道路は通常、片側に2車線以上を有し、景観にも配慮されています。もともとは19世紀のパリで形成されたこのスタイルは、シャンゼリゼ通りを代表とし、その後都市計画のモデルとなりました。その影響はフランス国内外の都市にも広まり、各地で高規格の大通りが「ブールバール」として名付けられています。

フランスにおけるブールバールの歴史

「ブールバール」という言葉は、もともと城壁上の通路を指していました。しかし、パリではルイ14世の時代に城壁が壊された跡地を利用して広い道路が作られたことにより、ブールバールが大通りを意味するようになりました。さらに、ナポレオン3世の治世において、パリのセーヌ県知事であるジョルジュ・オスマンが行った都市改造により、多くの新しい大通りと街路樹が整備され、現在のブールバールの姿が確立されたのです。

1860年以降、パリでは環状街路を「ブールバール」、放射状街路を「アベニュー」とする規則が定められました。しかし、例外も存在し、南フランスのマルセイユやトゥーロンといった地域では、街路樹の見られない小さな通りにも「ブールバール」という名称が付けられることもあります。略語であるbvdやbdも一般に使用されています。

英語圏におけるブールバール

英語圏では、ブールバールは「Boulevard」として発音され、しばしばBlvdと略されます。アメリカでは都市計画が進んでいるため、街道の名前は様々な基準に基づいて付けられます。

• - ロード (Road)：ある地点と別の地点をつなぐ道路のこと。
• - ストリート (Street)：ロードの両側に建物が並んでいる場所。
• - アヴェニュー (Avenue)：通常、ストリートと交差し、より大きな通りが多く、街路樹の植栽も見られる。
• - ブールバード (Boulevard)：幅の広い道路で、中央分離帯となる植栽が設けられていることが多く、商業エリアや住宅街を通過するための道。
• - レーン (Lane)：ブールバードよりも狭い通りで、主に通過交通に利用される。

イギリスでは「ブールバール」という名の高規格な街路は少なく、ロンドンのオックスフォード通りのように道幅が狭く、街路樹が見られない例も多いです。また、アイルランドやダブリンでも大通りの存在はありますが、整体的には少数派です。

その他の地域におけるブールバール

ロシアのモスクワやオーストリアのウィーン、ドイツのベルリンなどでも、城壁跡を生かした大通りが存在し、都市の景観に寄与しています。また、ラテンアメリカ諸国では「Bulevar」という名称も一般的に使用されています。

アジアでは、特にイスラエルのテルアビブでブールバール型の街路が計画され、広く知られています。ロスチャイルド・ブールバードがその代表例です。さらに日本国内でも「ブールバール」と名付けられた道路が存在し、富山や広島などの都市で見られます。

日本におけるブールバール

日本においても空間図の整備が進められ、特に広小路や大通りに相当する「ブールバール」という名称の道路がいくつか存在します。県や市を結ぶメインストリートとして重要な役割を果たしています。

都市におけるブールバールは、その名称だけでなく、街を歩く人々に快適で潤いのある空間を提供する重要なインフラとなっています。

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