プエルトリコ (ボードゲーム)

プエルトリコ：策略と繁栄の島で競うプランテーション経営ゲーム

『プエルトリコ』は、2002年にアレアブランドから発売された、アンドレアス・ザイファルト設計によるドイツ系ボードゲームです。17世紀のスペイン植民地時代のプエルトリコが舞台。プレイヤーはプランテーション経営者となり、作物の栽培、商品の販売、建物の建設を通して富と名声を競います。3～5人で約90～150分かけてプレイする、12歳以上向けのゲームです。

ゲームの目的

ゲームの目的は、勝利点を獲得し、他のプレイヤーよりも多くの富と名声を築くことです。勝利点は、商品の出荷や建物の建設によって獲得できます。

ゲームの流れ

プレイヤーは、自分のターンに「開拓者」「市長」「建築家」「監督」「商人」「船長」の6つの役割の中から1つを選びます。選んだ役割に応じて、そのターンで実行できる行動が変化します。例えば、「商人」を選んだプレイヤーは商品を有利に売却できますし、「建築家」を選んだプレイヤーは建物を建設する際にコストを削減できるなど、各役割に固有の利点があります。

この役割選択システムは「バリアブルフェイズシステム」と呼ばれ、ゲームの大きな特徴となっています。各プレイヤーは順番に役割を選び、その役割に沿った行動を全員が実行した後、次のプレイヤーのターンに移ります。このシステムによって、毎ターン状況が変化し、プレイヤー間の駆け引きが生まれる、奥深いゲーム体験を生み出しています。

資源と生産

プランテーションでは、トウモロコシ、インディゴ、サトウキビ、タバコ、コーヒー豆の5種類の作物を生産できます。しかし、作物を生産しただけでは、そのまま売却したり出荷したりすることはできません。生産施設を建設し、労働者を配置することで初めて商品として生産できるようになります。生産施設の建設には、資源や労働者が必要になります。

建物の建設

プレイヤーは、プランテーションに様々な建物を建設できます。建物は、生産効率を向上させたり、特別な能力を与えたりする効果を持ちます。建物を建設することで勝利点も獲得できます。建物の建設には、資源や労働者、そして資金が必要になります。

ゲームの終了

ゲームは、以下のいずれかの条件が満たされた時点で終了します。

使用可能な労働者コマがなくなった場合
誰かが全ての建築スペースに建物を建設した場合
* 勝利点チップがなくなった場合

ゲーム終了時には、各プレイヤーが獲得した勝利点を計算し、最も多くの勝利点を獲得したプレイヤーが勝者となります。

受賞歴と評価

『プエルトリコ』は、2002年ドイツゲーム賞、2003年オランダゲーム賞、2003年国際ゲーマーズ賞など、数々の賞を受賞しています。また、世界最大のボードゲームファンサイトである「ボードゲームギーク」では、『アグリコラ』に抜かれるまで5年間トップの座に君臨していました。

毎日新聞のレビューでは、ルールは複雑ながらも、ゲームの流れが分かりやすく、一度プレイすれば理解できると評されています。また、「バリアブルフェイズシステム」の斬新さも評価されていますが、同時に、役割選択における駆け引きのせめぎ合いからくる「背徳感」も指摘されています。

関連ゲーム

『プエルトリコ』のカードゲーム版として『サンファン』があります。

まとめ

『プエルトリコ』は、戦略性と高いリプレイ性を兼ね備えた、傑作ドイツゲームです。複雑なルールに最初は戸惑うかもしれませんが、一度プレイすればその魅力に取りつかれることでしょう。プランテーション経営の面白さ、役割選択による駆け引き、そして建物の建設による戦略性の深さ、様々な要素が絡み合った、奥深いゲーム体験をお楽しみください。

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