プシッタコサウルス

プシッタコサウルス：オウムのような嘴を持つ小型恐竜

プシッタコサウルスは、約1億3000万年前から9960万年前に生息していた小型の二足歩行恐竜です。体長は1～2メートルほどで、その名の通り、オウムのような特徴的な嘴を持っていました。角やフリルを持たない原始的な角竜類に分類され、モンゴル、中国、タイなどから化石が発見されています。

形態と特徴

プシッタコサウルスは、短い吻部と横に広く張り出した前上顎骨が特徴です。頭骨の目の前の穴である前眼窩窓は消失しています。他の角竜類と異なり、前肢の指が4本であることも注目すべき点です。興味深いことに、羽毛の痕跡が見つかった化石も存在し、体表の大部分は鱗で覆われていたと考えられています。尾の背側には棘状の突起があり、それがケラチン質の棘なのか羽毛なのかは、現在も議論されています。

生態

丈夫なくちばしから、繊維質の多い植物の葉や種子などを食べていたと考えられています。しかし、トリケラトプスなどの進化した角竜類のような、効率的な歯の構造（デンタルバッテリー）は発達していませんでした。そのため、胃石を利用して食べ物をすりつぶし、消化していたようです。しばしばイチョウの葉を食べる姿で描かれることがありますが、これは化石発見地がイチョウの原産地付近であるという推測に基づいており、確実な証拠はありません。

従来、単独で生活していたと考えられていましたが、2002年に中国遼寧省で、成体と34体以上の幼体の化石が巣のような構造で発見されました。この発見は、プシッタコサウルスがマイアサウラのように、子育てを行っていた可能性を示唆しています。34体もの幼体が1頭の親の子供とは考えにくいことから、複数の親が群れを成して生活していた、または他の個体との争奪戦で獲得した幼体も含まれていた可能性も指摘されています。

また、レペノマムスという哺乳類の体内からプシッタコサウルスの幼体の骨格が見つかっており、捕食されていたことが明らかになっています。さらに、レペノマムスと絡み合った状態の化石も存在しますが、その真偽については、発掘方法や研究過程の不透明さから議論があります。

分類

かつては多くの角竜類の祖先と考えられていましたが、前肢の指の本数や歯の構造などの特徴から、他の角竜類とは異なる独自の進化を遂げた種であると考えられるようになりました。そのため、独自の科であるプシッタコサウルス科に分類されています。初期には二足歩行であることから鳥脚類に分類される可能性も検討されましたが、くちばしなどの頭部の特徴から角竜類に分類されています。

近年の研究では、角竜類は従来考えられていた曲竜類や剣竜類ではなく、パキケファロサウルスなどの堅頭類と近縁であることが分かり、周飾頭類というグループを形成することが明らかになりました。さらに、周飾頭類は鳥脚類と関連があると考えられており、最近の研究では、鳥脚類の一員である可能性も示唆されています。

種

現在までに8種が知られていますが、それらの違いは頭部の細かい特徴や産地によるものであり、全てが有効な種であるかについては議論があります。主な種としては、P・モンゴリエンシス、P・マゾンツァネンシス、P・メイレインゲンシス、P・ネイモンゴリエンシス、P・オルドセンシス、P・サッタヤラキ、P・シネンシス、P・シンジャンゲンシスなどが挙げられます。

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