プトラジャヤ

プトラジャヤ（Putrajaya）

プトラジャヤは、マレーシアの南部に位置する連邦直轄領であり、行政の新しい中心地として開発が進められています。クアラルンプールから約25km離れたこの地域は、2022年の時点で人口が約12万人にのぼり、主に政府機関で働く職員とその家族が住んでいます。

この開発は、マハティール元首相が提唱したもので、1980年代の終わりに始まりました。過密化が進むクアラルンプールから行政機能を移転するという構想が浮上し、その結果、新たな首都はクアラルンプール国際空港との中間地点に建設されることが決定されました。1990年代半ばには、スランゴール州との土地購入の交渉が進み、46km²の広さの土地が連邦政府によって購入されました。

プトラジャヤは、「ガーデンシティ」「インテリジェントシティ」をテーマに設計されており、都市の約38%を緑地として保存する計画が立てられています。このプロジェクトはマレーシア最大の国家プロジェクトとされ、建設は1995年8月に開始されました。当初の建設費は約81億米ドルと見積もられていましたが、1997年に発生したアジア通貨危機の影響で工事は遅延を余儀なくされました。

プトラジャヤの行政機能の一部は1999年に移転を開始し、2001年2月にはマレーシアで3番目の連邦直轄領となりました。これにより、プトラジャヤは名実ともに新しい行政の中心地としての地位を確立しました。

また、プトラジャヤへのアクセスを向上させるための交通網の整備も進められており、2002年にはKLIAトランジットと呼ばれる高速鉄道が完成しました。この鉄道は、クアラルンプール国際空港やクアラルンプール・セントラル駅とプトラジャヤを結ぶ重要な交通手段となっています。ただし、計画されていたプトラジャヤ・モノレールについては、予算の関係で建設が中止されました。

市名の「プトラジャヤ」は、初代首相であるトゥンク・アブドゥル・ラーマンに因んで名付けられています。ここで使用される「putra」はサンスクリット語から来ており、「王子」を意味し、「jaya」は「勝利」を意味しています。このように、プトラジャヤはマレーシアにおける政治と文化の融合を象徴する重要な地域となっています。

このように、プトラジャヤは新たな行政の中心地としての役割を担いながら、都市計画においても環境への配慮を徹底して行うことを目指しています。今後の発展に期待が寄せられる地域です。

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