プブリウス・コルネリウス・レントゥルス・スピンテル

プブリウス・コルネリウス・レントゥルス・スピンテル

プブリウス・コルネリウス・レントゥルス・スピンテル（紀元前101年 - 紀元前47年頃）は、紀元前1世紀の共和政ローマにおいて名高い政治家かつ軍事指導者であり、とりわけ紀元前57年に執政官（コンスル）を務めたことで知られています。

出自と名乗り

レントゥルス・スピンテルは、エトルリア起源のパトリキであるコルネリウス氏族に属していました。この氏族は古代ローマで特に権力があり、多くの著名な支族を有していました。スピンテルのコグノーメン、つまり名の由来については紀元前327年に執政官として活動していたルキウス・コルネリウス・レントゥルスに遡ることができますが、彼自身の系譜は不明確な点が多いです。彼に付けられた愛称「スピンテル」は、同時代の俳優に似ていたことから名付けられたと言われています。

経歴の初期

歴史学者たちはスピンテルの生年を紀元前101年に設定しています。紀元前74年には造幣官としての活動があり、その後、紀元前70年頃に財務官としての役職を果たしますが、最も顕著な記録は紀元前63年にアエディリスを務めた際の活動です。この時期、彼は壮大な競技会を開催し、その後、同年のカティリナの陰謀に関与した者たちに対して執政官キケロを支持しました。

その後、彼は紀元前60年に法務官となり、アポロに捧げる競技会を行い、その豪華さは当時の人々に非常に印象を残しました。翌年には主にカエサルの後押しを受けてヒスパニア・キテリオルの総督に就任し、その後も神祇官としての任務を果たしました。紀元前58年にはローマに戻り、執政官選挙に出馬し、再びカエサルの支持を受けて当選します。

執政官としての活動

スピンテルは執政官として初日に元老院に対し、追放されたキケロの帰還を提案し、その結果、キケロはローマに戻ることができました。これにより、彼はキケロから深く感謝され、スピンテル自身もキケロの支持者としての立場を強めました。彼と同僚の執政官はポンペイウスに特別権限を与え、その解決策は多くの議論を呼びました。ローマの政治情勢が緊迫していた頃、スピンテルはキリキア属州の総督を務めることになり、彼はこの地域で現地部族の征服に成功します。

内戦の影響

内戦が勃発するとスピンテルはポンペイウス側についていますが、カエサル軍の接近により、彼は逃走を余儀なくされます。やがてスピンテルはカエサルと交渉し、捕虜となりましたが、その後すぐに解放されています。この頃、スピンテルはカエサルの寛大さにも感謝しつつ、ポンペイウスのもとへ戻りました。

死亡と人物

スピンテルの生涯は波乱に満ちており、彼の死については異なる説があります。一部の記録では、カエサルによって処刑されたとされていますが、他の情報では彼は戦死したとも伝えられています。スピンテルはキケロに親しい友人と考えられ、彼の支援に感謝しており、キケロはスピンテルの政治的手腕を賞賛していました。

子孫と遺産

スピンテルには同名の息子がいて、後にマンリウス氏族に養子に入りますが、彼はコルネリウスの名を名乗り続けました。スピンテルの人柄や成し遂げたことは、彼の時代を超えて多くの人々に影響を与え続けています。

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