プラグドア

プラグドアについての詳細

プラグドアとは、一般的な引き戸と異なり、閉じた状態で外壁と平らになる形状のドアを指します。英語で「プラグ」は「栓」を意味し、その名のとおり外部と内部の構造を美しく整える設計がなされています。鉄道車両のみならず、建築物にも応用が見られます。

構造の特徴

プラグドアには主に「外プラグ式」と「内プラグ式」の二つのタイプがあります。
1. 外プラグ式: ドアは車体の外側をスライドし、最後に内側に沈み込む構造です。この場合、戸袋が不要で、開いたときにも隙間が生じにくいのが特徴です。
2. 内プラグ式: ドアはボディ内で移動し、最後に外側に押し出される方式です。これもドアが外に逃げるため、戸袋の存在が不要な場合が多いですが、スライド式ドアに限られた特殊な構造です。

新幹線電車のように、内プラグ式でスライドするものも多く見られますが、構造的制約から戸袋を設ける場合もあります。これにより、見た目やスペースの利用効率が向上します。

利点と欠点

プラグドアの利点には、以下の点が挙げられます。

• - 外壁と面一になることで、外観が整った印象を与えます。
• - 空気抵抗の低減や騒音の減少に貢献します。
• - 雪や雨の侵入を防ぐ効果もあり、特に風の強い環境での安全性を高めます。

また、外吊り式の場合、ドアが外に移動して開くため、戸袋が不要になり、結果的に軽量化が可能となります。これは、特に路面電車や新型の超低床電車において、強い支持を得ています。このような車両は海外でも普及しており、特にユーラシア大陸で見ることができるようになりました。

一方で、プラグドアにはいくつかの欠点も存在します。開閉に際して必ず二段階の動作が求められるため、一般的な引き戸よりも開くまでの時間が長くなることがあります。さらに、構造が複雑で部品が多いために、製造や維持にかかるコストが高くなる傾向があります。このため破損や故障のリスクも高くなり、混雑時には扉に対する圧力が強くなるため、事故の危険も増します。

過去には、プラグドアが開いてしまう事故も発生しており、特に高いホームや混雑する路線では採用されにくい理由となっています。日本国内では、1990年代から2000年代にかけて特急型車両に多く見られましたが、2010年代以降はその数が減少しています。特に、新しい車両が製造される際には、コストの制約からプラグドアを採用する事例は少なくなっています。

日本国内における採用状況

日本国内では、プラグドアは主に以下のような鉄道車両に採用されています:

• - 国鉄キハ60系気動車
• - 新幹線300系電車
• - JR東日本のキハ100系気動車

バスに関しては、長距離バスや観光バスで広く採用されており、小型路線バスでも見られますが、一般的に「スイングドア」として理解されています。また、普通自動車でも特にミニバンやワンボックスカーのリアドアに多く見られ、プラグドアという名称は用いられていない場合がほとんどです。これらの乗り物での利用が進む中、プラグドアは実用性と美観の両方を兼ね備えた優れた選択肢として定着しつつあります。

今後の展望として、プラグドアの技術が進化し、改善されることにより、さらなる使用拡大が期待されます。

もう一度検索