プラット・アンド・ホイットニー R-1340

プラット・アンド・ホイットニー R-1340 - ワスプエンジンについて

プラット・アンド・ホイットニーのR-1340、通称ワスプエンジンは、1920年代からアメリカの航空機に多く採用されてきた空冷の星型エンジンです。このエンジンは、同社が開発した初の航空機用エンジンであり、その後に続くワスプシリーズの基礎を築きました。

基本情報

R-1340は空冷の9気筒構造を持ち、その主な諸元は以下の通りです。

• - タイプ: 空冷星型9気筒
• - シリンダー直径: 5.75インチ (146mm)
• - ストローク: 5.75インチ (146mm)
• - 体積: 1,344立方インチ (22.02リットル)
• - 全長: 44.06インチ (1,119mm)
• - 直径: 51.38インチ (1,305mm)
• - 重量: 805ポンド (365kg)

機構と性能

R-1340エンジンには以下のような機構が搭載されています。

• - バルブ: 2個のオーバーヘッドバルブ
• - スーパーチャージャー: 定速式遠心圧縮機、減速比は10:1
• - 燃料システム: 2バレル型ストームバーグキャブレター
• - 燃料: 80オクタン価のガソリン
• - 冷却システム: 空冷

出力は542馬力（404 kW）で、高度5,000フィート（約1,525メートル）にて2,200rpm時に達します。また、圧縮比は6.0:1で、比出力は0.4 hp/in³（18.36 kW/l）となっています。正味燃料消費率は0.44 lb/(hp・h)（270 g/(kW・h)）、潤滑油消費率は0.32 oz/(hp・h)（12 g/(kW・h)）です。出力重量比は0.67 hp/lb（1.11 kW/kg）です。

ワスプシリーズとその継承

R-1340はワスプシリーズの先駆けとして数多くの後継機種が誕生し、航空業界において重要な位置を占めました。シリーズには次のようなエンジンがあります。

• - R-985 ワスプ・ジュニア
• - R-1535 ツインワスプ・ジュニア
• - R-1830 ツインワスプ
• - R-2800 ダブルワスプ
• - R-4360 ワスプ・メージャー

これらのエンジンは、それぞれ異なるパフォーマンスや用途に応じて設計され、航空機の発展に寄与しました。R-1340は、単なるエンジン以上のものであり、アメリカの航空機産業の成長において欠かせない存在でした。

参考文献と外部リソース

R-1340に関する情報をさらに知りたい方は、航空用エンジンの一覧や航空用エンジンメーカーの一覧をご覧ください。また、国立科学博物館の産業技術の歴史にも興味深い情報が掲載されています。

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