プラハの戦い

プラハの戦いについて

プラハの戦い（英: Battle of Prague）は、1757年5月6日に行われた七年戦争の一環としての重要な戦闘です。この戦いは、プロイセン軍とオーストリア軍の間で行われ、最終的にプロイセン軍が勝利を収めました。

戦争の背景

七年戦争は、1756年から1763年にかけて行われ、汎ヨーロッパの規模での軍事衝突となりました。この戦争の前年、プロイセンは先制攻撃を仕掛け、その結果全ザクセンを支配下に置きました。この際、オーストリアはその救援を試みたものの失敗し、防備を固める時間を得ることができました。このような状況下、プロイセン軍はシュレージェンやザクセンで冬を越し、一方オーストリア軍はベーメンとメーレンで冬営に入ることになりました。

オーストリア軍の総司令官はカール・アレクサンダー公子（皇帝フランツ1世の弟）でしたが、彼はプロイセンのフリードリヒ大王が攻撃を仕掛けてくることを予見しながらも、先手を打つことを選びませんでした。この春、大王はその機動力を生かし、広く分散していたオーストリア軍を一箇所に集めることなく、同時に東西から進軍する作戦を採用しました。

戦闘の経過

プロイセン軍は、オーストリア軍の右翼に集中攻撃を仕掛ける命令を出しました。しかし、前線に立ったオーストリア軍は丘の上に陣取っており、状況に気づいて急いで部隊を移動させました。その結果、プロイセン軍は優れた地形を活用できず、厳しい砲撃に晒されました。シュヴェリーン司令官は士気を鼓舞しようとしましたが、戦闘中に戦死します。

オーストリア軍は反撃に出るも、中央で隙間が生じてしまい、プロイセン軍は左翼部隊を立て直し、これを攻撃しました。大王の巧妙な作戦によって、オーストリア軍は次第に分断され、最終的に崩壊しました。多数のオーストリア兵はプラハ城内へ後退し、逃げられなかった部隊は守りを固めて撤退しました。

戦闘の結果

プロイセン軍は、オーストリア軍のカール公と4万人の軍隊をプラハに包囲し、降伏を促しましたが、カールは救援を期待して拒否します。この戦いでは、オーストリア軍はおよそ1万7千人の兵を失い、プロイセン軍も1万4千人を失いました。戦術的には小さな勝利でしたが、戦略的には大きな勝利を収めたといえます。オーストリア軍を包囲したことで、その主力が危機に瀕し、ウィーンへ進軍する道も開かれました。

この結果、プラハの戦いはオーストリア軍にとって壊滅的な敗北となり、その後の戦況に大きな影響を与えました。プロイセンの勝利は、フリードリヒ大王の卓越した戦術によるものであり、七年戦争の行方を大きく変える契機となったのです。

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