プラハ包囲戦 (1742年)

プラハ包囲戦 (1742年)

プラハ包囲戦は、オーストリア継承戦争中の1742年、ボヘミア王国の首都プラハを舞台に繰り広げられました。フランス軍がオーストリア軍に包囲されるという状況下で、都市からの脱出を試みるフランス軍の苦難を描いています。

包囲の経緯

1742年6月、ブロイ公爵が率いるフランス軍は、オーストリアの大軍によってプラハに包囲されました。フランス軍は当初、オーストリア軍の圧倒的な兵力に苦戦を強いられます。

しかし、フランスからの救援軍の到着により、状況は一時的に変化します。オーストリア軍は包囲の一部を解かざるを得なくなり、ブロイ公爵はこの機に乗じてプラハから脱出しました。ブロイ公爵は、指揮をベル＝イル公爵に委ね、自身は戦場を離れました。

オーストリア軍は、フランス救援軍の進軍を阻止することに成功し、再びプラハの包囲を再開します。しかし、オーストリア軍は厳密な包囲を敷くことができず、フランス軍に脱出の機会を与えてしまいます。

フランス軍の脱出

12月16日、ベル＝イル公爵は、1万3千の軍勢を率いてプラハからの脱出を敢行します。厳冬の中、ベル＝イル公爵はプラハからの脱出を決意しました。

オーストリア軍は12月18日になってようやくフランス軍の脱出に気づきましたが、すべての逃げ道を封鎖したと思い込んでいました。しかし、ベル＝イル公爵は道から外れ、山中を進むという大胆な作戦を実行します。真冬の厳しい天候と疫病により、フランス軍は兵力を大きく消耗しながらも、12月26日にエゲルに到着し、脱出に成功しました。

ベル＝イル公爵は、プラハ城内に傷病者が大半を占める6千人を残していました。しかし、交渉の結果、ベル＝イル公爵は栄誉をもってプラハ城から退去することを許されました。

包囲戦の影響

プラハ包囲戦は、オーストリア継承戦争における一局面であり、フランス軍の撤退という結果に終わりました。この戦いは、厳冬期の軍事作戦の困難さや、疫病が兵力に与える影響を浮き彫りにしました。

参考資料

* Browning, Reed (1995). The War of the Austrian Succession. St. Martin's Press. p. 121. ISBN 978-0-312-12561-5.

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