プリズナーNo.6

『プリズナーNo.6』

『プリズナーNo.6』は、1967年9月29日から1968年2月4日まで放送された、イギリス制作の連続テレビドラマです。全17話から成るこの作品は、主演を務めたパトリック・マクグーハンが企画や監督にも関わっており、約52分のエピソードがそれぞれ展開されます。ジャンルとしてはSF的なスパイものであり、斬新な演出や深い哲学的メッセージが随所に織り込まれているのが特徴です。そのため、現在でもカルト的人気を持つ作品として多くのファンに支持されています。

あらすじ

物語は、英国の諜報部員である主人公が辞表を提出し、辞職を決意するところから始まります。自宅に戻り、旅立ちの準備をしていた彼は、謎の人物によって催眠ガスで眠らされます。目を覚ますと、彼は「村」と名付けられた国籍不明の場所に囚われていることを知ります。

「村」では、多くの人々が「プリズナー」として捕らえられ、個々の正体が隠されたまま、番号で呼ばれる生活を強いられています。主人公には「ナンバー・シックス」という番号が与えられ、村の指導者である「ナンバー・ツー」は、彼から辞職の理由や秘密を聞き出そうとしますが、主人公は一切応じようとしません。「ナンバー・ツー」はあらゆる手段を駆使して情報を引き出そうと試みますが、「ナンバー・シックス」は冷静にそれを退けるのです。

主人公は同時に村からの脱出を試みますが、さまざまな障害が彼を待ち受けています。彼と「ナンバー・ツー」の知恵比べが繰り広げられる中で、数々の人間模様やドラマが展開され、視聴者はその独特な世界観に引き込まれていきます。

キャスト

本作のレギュラーキャストには、主人公の「ナンバー・シックス」役としてパトリック・マクグーハンが、脇役には執事や管理官が登場します。管理者である「ナンバー・ツー」は、各話で異なる俳優が演じるため、さまざまな人物が彼の役を引き継ぎます。このように、登場人物の詳細が明かされないスタイルが本作の重要な特徴となっています。

舞台と制作

「村」の舞台には、実際のホテル・ポートメイリオンが使用されており、そこで展開される様々な場面が印象的です。また、村を守るために登場する白い球体「ローヴァー」は視覚的にも記憶に残りやすい存在であり、作品の中で特異なキャラクターとして重要な役割を果たしています。

日本では1969年に放送され、その後も何度か再放送が行われました。2004年には完全版が放送され、画質が向上した新プリント版が登場するなど、時を超えて多くの視聴者に親しまれています。

リメイクと影響

2009年にはアメリカのAMCとイギリスのITVによってリメイクが制作され、オリジナル版とは異なる新しい解釈が加えられました。このように『プリズナーNo.6』は、長い年月を経てもなお、多くの作品に影響を与え続けているのです。

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