プリズン211

映画『プリズン211』の概要

『プリズン211』（原題: Celda 211）は、2009年に制作されたスペインとフランスの合作映画で、サスペンスとアクションを融合させた作品です。ダニエル・モンソンが監督を務め、ルイス・トサールやアルベルト・アンマン、アントニオ・レシネスといった俳優が出演しています。この映画はフランシスコ・ペレス・ガンドゥルの小説『Celda 211』を基にしており、日本での劇場公開はされていません。

プロット

物語は、新人看守フアン・オリベルの視点から描かれます。フアンは妊娠中の妻エレナを自宅に残し、初めての職務に意気揚々と向かいます。しかし刑務所内で案内途中に襲撃を受け、意識を失って目を覚ますと、そこは暴動が起きた混乱の真っただ中でした。生き延びるため、フアンは囚人を装うことを決意します。彼は、自らが殺人を犯して投獄されたという設定を作り、囚人たちのリーダーであるマラマドレの信任を得ることに成功します。

マラマドレは、同じ刑務所内に収監されているバスク祖国と自由（ETA）のテロリストたちを支配下に置くことを目論んでいます。この計画が発覚すると、スペイン全土で刑務所の暴動が広がり、バスク州では反政府デモが起こります。一方、フアンの妻エレナは、夫が置かれた危機的状況を次第に理解し、刑務所外で情報を得ようと奮闘し、その結果、暴行に遭います。

さらに、フアンの行動がテレビで報じられ、囚人たちの間で彼の正体が疑問視されるようになりました。特に囚人の一人であるアパチェは、密かに携帯電話を入手し、フアンが看守であることを知ります。アパチェはこの情報を利用し、フアンがマラマドレの危険な計画を覆す機会を持つことを手助けしようとします。

物語が進む中、マラマドレはETAの囚人を処刑する決断を下しますが、フアンはこれをなんとか阻止しようとします。彼がマラマドレとの対峙を果たす瞬間、状況はさらに緊迫したものとなります。生死を賭けた緊張感が続く中、フアンは自身が囚人であると信じている者たちとの信頼関係を築こうと試みますが、暴動の渦中にいる彼の運命は予測不可能な展開を迎えます。

ジャキャスト

• - マラマドレ：ルイス・トサール（吹替：西凜太朗）
• - フアン：アルベルト・アンマン（吹替：花輪英司）
• - ウトリーリャ：アントニオ・レシネス（吹替：斉藤次郎）
• - エレナ：マルタ・エトゥラ（吹替：小松由佳）
• - アパチェ：カルロス・バルデム（吹替：志村知幸）
• - アルマンサ：マヌエル・モロン（吹替：高橋翔）
• - レレチェス：ルイス・サエラ（吹替：船木まひと）
• - タチュエラ：ビセンテ・ロメーロ（吹替：高岡瓶々）
• - アルマンド：フェルナンド・ソト（吹替：佐藤晴男）
• - ゲオス：ハビエル・エステベス（吹替：坂巻学）

評価

本作は多くの映画評論家から高く評価され、特にRotten Tomatoesでは、35人の批評家による評価で新鮮度が97%とされました。第24回ゴヤ賞では、作品賞や監督賞、脚色賞、主演男優賞を含む8部門で受賞を果たしました。また、2010年にはアメリカでのリメイクも計画されており、ポール・ハギスが製作や監督を担当する意向を示しています。

受賞歴

• - 第24回ゴヤ賞
• - 2009年度フォトグラマス・デ・プラータ
• - スペイン映画批評家協会賞
• - サン・ジョルディ賞
• - 第19回スペイン俳優組合賞

以上が『プリズン211』の概要です。この映画は充実したストーリーと緊迫した展開で、観る者に深い印象を残します。

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