プリンス・オブ・ウェールズ (戦艦)

プリンス・オブ・ウェールズの艦歴

プリンス・オブ・ウェールズ（HMS Prince of Wales）は、イギリス海軍のキング・ジョージ5世級戦艦の二番艦であり、イギリスの王太子に因んで名付けられました。この艦は、1937年に建造が開始され、1941年に完成しました。艦名に込められた意義は、ウェールズ公が王太子に相当する称号であることに由来します。

建造と初期運用

1937年の初めに建造が始まったプリンス・オブ・ウェールズは、1941年1月に竣工しました。しかし、就役後から十分な訓練を受ける前に実戦に投入されることとなります。就役直後に、同艦はドイツ戦艦ビスマルクを追撃するための作戦に参加し、5月24日のデンマーク海峡海戦では巡洋戦艦フッドと共にビスマルクとプリンツ・オイゲンに遭遇しました。

デンマーク海峡海戦

この海戦では、プリンス・オブ・ウェールズはフッドと共にビスマルク部隊に砲撃を開始しましたが、フッドはビスマルクの攻撃により轟沈しました。プリンス・オブ・ウェールズは艦橋が被弾し、戦闘から離脱を余儀なくされました。その後、艦は修理されて再び作戦に参加しますが、燃料不足などの問題からビスマルク追撃任務を続行することができませんでした。

大西洋憲章と地中海戦線への転戦

修理終了後、プリンス・オブ・ウェールズはイギリス首相のウィンストン・チャーチルを乗せて大西洋を横断し、カナダのニューファンドランド島へ向かいました。ここでチャーチルとアメリカのフランクリン・ルーズベルトは、大西洋憲章を締結しました。その後、艦は地中海戦線に移動し、マルタ輸送作戦等で活躍しました。

東洋艦隊への編入とシンガポールへの移動

1941年10月、プリンス・オブ・ウェールズは東洋艦隊に編入され、シンガポールに向かいました。これは日本軍の南下に備えるための防衛策として策定されたものでした。艦はその存在が日本の行動を抑止するものと期待されていました。

マレー沖海戦と沈没

1941年12月10日、太平洋戦争開戦とともに、プリンス・オブ・ウェールズはマレー沖海戦に参加します。Z部隊として、日本軍のマレー作戦を阻止するため出撃しましたが、日本軍の航空攻撃を受け、艦は致命的な損傷を負います。魚雷の攻撃が艦の推進装置を破壊し、後は鞠殖の状態に陥ります。最後に艦は沈没し、司令官や多くの士官が戦死しました。

沈没の影響

プリンス・オブ・ウェールズの沈没は、イギリス海軍にとって大きな衝撃でした。チャーチル首相はこのニュースを受けて、当時の海軍戦略に再考を促すことになりました。また、日本海軍にとって、同艦の撃沈は大きな勝利とされ、戦意を高める結果となりました。

最後に

プリンス・オブ・ウェールズは、短期間で様々な戦闘に参加し、その艦歴には数多くの重要な出来事が詰まっています。その壮絶な最期は、戦艦の運命を象徴するものであり、今もなお‶海の英雄〃として語り継がれています。

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