プリンセスうぃっちぃず

『プリンセスうぃっちぃず』は、2005年にぱじゃまソフトから発売されたアダルトゲームです。略称は「プリっち」。2006年には追加要素を加えた『プリンセスうぃっちぃず excellent』が発売されました。

概要

本作は、主人公・真樹が、ある出来事をきっかけに魔女界の騒動に巻き込まれていく物語です。「ドキドキわくわく魔女っ娘バトルアドベンチャー」と銘打たれており、前半は学園を舞台としたドタバタギャグコメディ、後半は魔女界を舞台としたシリアスな展開が中心となります。

ゲームの大きな特徴は、カードを組み合わせて戦う「魔女っ娘バトル」です。炎・雷・水などの属性や、小魔法・大魔法といった効果を持つカードを駆使して相手を撃退します。カードの組み合わせによってボーナスが付加されるため、戦略性の高いバトルが楽しめます。

また、「ごきげん度システム」と呼ばれる好感度システムも搭載されています。選択肢によってヒロインの好感度が変化し、好感度が高いとバトル中にヒロインの必殺技が発動しやすくなります。

物語は各話ごとに区切られており、各話の間にはCMのようなアバンタイトルが挿入されます。

タイトルにある「a princess, which is?」は、「which is」と「witches」（魔女）をかけたもので、本編の重要な要素を示唆しています。

世界観

物語の舞台は、真樹たちが住む人間界と、魔女たちが住む魔女界です。魔女界には人間や男性はおらず、常に光に満ち溢れており、夜が存在しない世界です。子供は世界樹から授けられ、その数は一人だけとされています。

魔女界には、次のようなお伽噺が伝わっています。

「昔、人間界と魔女界は一つであった頃、ソルという光の女王と、オルという闇の女王がいた。二人は人間に恋をしたが、オルは恋に破れ、狂気に染まったオルは人間や魔女を虐殺した。心を痛めたソルはオルを殺し、人間界と魔女界を切り離し、闇を封印した。」

このお伽噺が、魔女界が光だけに包まれている理由とされています。また、魔女たちは闇、そして闇に狂わされた人間を悪と捉えています。

魔女界における「魔法」は、炎・水・雷の精霊に呼びかけ、その力を行使するものです。

シナリオ

本作には、「正義編」「真実編」「英雄編」の3つのシナリオが用意されています。初回プレイ時は正義編から開始し、クリアすることで真実編、英雄編と順にプレイできるようになります。英雄編クリア後には、IFストーリーである「かれん編」が解放されます。

各シナリオ概要

正義編: クルルや林檎など光の側からの視点で物語が展開されます。闇を悪と決めつけ、闇の女王オルを殺害します。しかし、それは「正義」を過信した結果であり、ほぼバッドエンドとなります。林檎ルートを選択すると、早期に物語が完結します。
真実編: 委員長やかれんなど闇の側からの視点で物語が展開されます。闇と光の共存を目指しますが、複雑な因果に翻弄され失敗に終わります。委員長が闇の女王として光を封印しようとするも、自らの理性で真樹に殺されることを望み、闇は再び封印されます。こちらもバッドエンドであり、多くの謎が解明されるものの、ハッピーエンドには至りません。
英雄編: 過去の「お伽噺」を含む、全ての謎が明らかになります。選択肢によってクルルエンドと委員長エンドに分岐します。
かれん編: 真樹が誰とも結ばれなかった場合のIFストーリーです。選択肢はなく、物語を読み進めるのみとなります。

キャラクター

御堂真樹: 本作の主人公。ヒーローを目指す少年で、「英雄の誓い」を信条としています。祖父から譲られた錆び付いた日本刀「正宗」を常に持ち歩いています。
クルル: 魔女界のプリンセス。人間界で暴れるマジモンを退治するためにやってきました。主人公に魔力を奪われたことがきっかけで、行動を共にすることになります。お気楽で天然な性格です。
委員長: 本名不明。主人公のクラスメイトで、生徒会書記を務めています。実は魔女であり、自分の魔力を制御できません。闇の女王オルの生まれ変わりという秘密を抱えています。
雀宮林檎: 主人公の幼馴染で、雀宮神社の巫女見習いです。常識人であり、主人公に対して辛辣な態度をとることが多いですが、実は想いを秘めています。
春日かれん: 謎の転校生。甘いものが大好きで、常に使い魔のベルナルドを身につけています。実はホムンクルスであり、魔道具なしでは魔法を使えません。

スタッフ

原画: かんなぎれい
シナリオ: しげた
音楽: アメディオ
ムービー: 神月社

主題歌

オープニング主題歌:「I'll try my best!!」
挿入歌:「Refrain」

関連商品

書籍: 公式ビジュアルブック、アンソロジーコミックス、オムニバス
CD: OriginalSoundTracks、ドラマちっくCD、ハイ☆ぱ~ドラマCD、プリっちラジオ
カードゲーム: Lycee

WEBラジオ

2006年に「プリっちラジオ」が配信されました。パーソナリティはクルル役の幡宮かのこと雀宮林檎役の神田理江が務めています。

その他

初回特典としてぱじゃまソフトのゲーム作品「パティシエなにゃんこ」が付属していました。
ユーザー登録者に「プリンセスうぃっちぃずスーパーアペンドCD」が配布されました。
* 初回生産版に倫理審査基準に違反する誤記があり、自主回収が行われました。

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