プリース・デヴァルー (第9代ヘレフォード子爵)

プリース・デヴァルー：激動の時代を生きた貴族の生涯

プリース・デヴァルー（1664年 - 1740年）は、第9代ヘレフォード子爵として知られるイギリスの政治家であり貴族です。彼の生涯は、17世紀後半から18世紀初頭にかけてのイギリスの政治的、社会的な変動期と重なります。

生い立ちと政治への参加

1664年に生まれたプリース・デヴァルーは、敬虔なイングランド国教会の信徒として育てられました。1688年、ジェームズ2世が審査法と刑罰法の廃止を求めた際には、これに断固として反対しました。1690年の総選挙でモンゴメリー選挙区からの議員選出を目指しますが、現職議員の再選を支持するよう説得を受け、立候補を断念しています。しかし、その現職議員が戦死したことにより、1691年11月の補欠選挙で念願の議員の座を獲得しました。

議会ではカントリ派に属し、1696年にはサー・ジョン・フェンウィックの私権剥奪に反対票を投じました。この行動は、彼の政治的な立場と信念を示すものと言えるでしょう。

ヘレフォード子爵の爵位継承と貴族院での活動

1700年、プリース・デヴァルーは第9代ヘレフォード子爵の爵位を継承し、貴族院の一員となりました。1701年2月19日に貴族院に初登院を果たしますが、その出席状況は決して良好とは言えませんでした。爵位継承から1715年までの16会期のうち、7会期は全く欠席、6会期は出席率が4分の1以下、残りの3会期も3分の1を上回ることはなかったと記録されています。このことは、彼が貴族院での活動に積極的に関与していなかったことを示唆しています。

その他の公職と晩年

1711年にはモンゴメリーシャー首席治安判事に、1714年にはカーディガンシャー首席治安判事に任命されましたが、同年中に解任されています。1715年にはジョージ1世への忠誠を誓っています。

1730年4月8日を最後に貴族院への登院はなく、1740年10月3日にヴェイノアで生涯を閉じました。彼の遺体はベリューに埋葬され、ヘレフォード子爵の爵位は息子のプリースが継承しました。

家族

1683年、メアリー・サンズと結婚し、一男一女をもうけました。息子プリースは後に第10代ヘレフォード子爵となり、娘メアリーはウィリアム・プリースと結婚しました。

プリース・デヴァルーの生涯は、政治的な駆け引き、爵位の継承、そして家族との絆を通して、17世紀から18世紀にかけてのイギリス社会の一側面を垣間見せてくれます。彼の貴族院での活動は決して活発ではありませんでしたが、その存在は歴史の中に確かに刻まれています。

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