プレイヤー (映画)

フランス式不倫コメディ『プレイヤー』：笑いと共感、そして複雑な人間模様

2012年公開のフランス映画『プレイヤー』（原題：Les Infidèles）は、ジャン・デュジャルダンとジル・ルルーシュというフランスを代表するコメディアンが監督・脚本・主演を務めたオムニバス作品です。複数のショートストーリーから構成され、それぞれ異なる男性の浮気をコミカルに描き出しています。一見軽妙なタッチに見えますが、それぞれのエピソードは結婚や愛、人間関係の複雑さを深く掘り下げており、観客に笑いと共感、そして時に考えさせられる要素を提供します。

映画は複数のエピソードで構成されており、それぞれ異なる監督が担当しています。主要な登場人物はジャン・デュジャルダンとジル・ルルーシュが演じ分け、それぞれのストーリーで異なるキャラクターを熱演しています。

主なエピソード

プロローグ（Le Prologue）： 家庭を持ちながら週末に浮気を楽しむフレッドとグレッグが、ラスベガスでさらに派手に女遊びをしようと計画します。しかし、彼らの計画は思わぬ方向へ進んでいきます。
ベルナール（Bernard）： 救急病院に女性と一体化してしまったという恥ずかしい状態で運ばれてきたベルナール。妻が到着した時、彼は衝撃的な状況に陥ります。
良心（La Bonne Conscience）： セミナー出張中のローランは、浮気をしようと試みますが、ことごとく失敗。オールドミスの女性にアプローチしますが、これも失敗に終わります。
ロリータ（Lolita）： 女子大生と不倫関係にある歯科医エリック。ある日、愛人の行動がエリックの怒りを爆発させ、騒動を引き起こします。
ティボーの挿話（Thibault）： 妻子の留守中に浮気を楽しんだティボー。しかし、妻が予想外に早く帰宅し、彼は慌てて証拠隠滅を図ります。
質問（La Question）： 結婚11年目のオリヴィエとリザ。友人の浮気話をきっかけに、互いの過去の浮気について話し合う中で、予想外の展開が待っています。
シモンの挿話（Simon）： 妻子の留守中にSMプレイを楽しんでいたシモン。しかし、そこに妻が帰宅し、衝撃的な光景を目撃してしまいます。
浮気男 友の会（Les Infidèles Anonymes）： 浮気がバレた男たちが参加するグループセラピー。そこで浮気に対する彼らの本音や価値観が明らかになります。
* ラスベガス（Las Vegas）： 妻を出し抜いてラスベガスに来たフレッドとグレッグ。女遊びの計画は空回りし、2人は思わぬ結末を迎えます。

登場人物

各エピソードには、ジャン・デュジャルダンとジル・ルルーシュに加え、ジェラルディン・ナカシュ、イザベル・ナンティ、クララ・ポンソ、ギヨーム・カネ、アレクサンドラ・ラミー、マヌ・ペイエなど、実力派俳優たちが多数出演しています。それぞれの俳優が、個性豊かなキャラクターを見事に演じきっています。

評価

『プレイヤー』は、フランス国内外で様々な評価を受けています。アロシネでは平均点が5点満点中3.1点とされています。Rotten Tomatoesでは高評価30％、Metacriticでは平均点が100点満点中43点と、評価は分かれています。批評家からは、コメディとして不十分であるという意見や、ユーモアが欠けているという指摘もあります。しかしながら、そのユーモラスな描写と、現実とフィクションを行き来するような展開は多くの観客の心を捉え、様々な意見が飛び交う作品であると言えるでしょう。

まとめ

『プレイヤー』は、軽妙なユーモアと、結婚や人間関係の複雑さを描いたフランス式オムニバス・コメディです。それぞれのエピソードは独立して楽しめる一方で、全体を通して男性の浮気というテーマが繋がっています。笑える部分と共感できる部分、そして考えさせられる部分があり、様々な視点から人間関係を考えさせられる、奥深い作品となっています。単なるコメディ映画としてだけでなく、人間ドラマとしても高く評価できる点も魅力です。

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